3. 子育て支援金の財源「医療保険料に上乗せ」が決定

かねてから注目の集まっていた財源ですが、今回の法案が可決・成立したことにより、「子ども・子育て支援金」が創設されることとなりました。

こども家庭庁は、支援金の国民1人あたりの負担額が2028年度に月450円になると試算しています。

ただし、実際の金額は被用者保険の種類や年収等によって異なります。

被用者保険ごとの支援金の目安額は、以下の通りです。

3.1 2026年度:被保険者一人当たりの平均額

  • 被用者保険全体:月額450円
  • うち協会けんぽ:月額400円
  • うち健保組合:月額500円
  • うち共済組合:月額550円

3.2 2027年度:被保険者一人当たりの平均額

  • 被用者保険全体:月額600円
  • うち協会けんぽ:月額550円
  • うち健保組合:月額700円
  • うち共済組合:月額750円

3.3 2028年度:被保険者一人当たりの平均額

  • 被用者保険全体:月額800円
  • うち協会けんぽ:月額700円
  • うち健保組合:月額850円
  • うち共済組合:月額950円

2028年度時点では、大企業による健康保険組合で月850円、中小企業が加入する協会けんぽで月700円、公務員などの共済組合で月950円と見込まれます。

この他、国民健康保険は1世帯あたりで月600円、後期高齢者医療制度では月350円の負担増となる見込みです。

なお、被用者保険においては事業主と労使折半するため、事業主にも負担が増える形です。

4. まとめにかえて

本日の参院本会議において、「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」が可決・成立しました。12月支給の児童手当から拡充が始まり、他にも子育て支援が強化されます。

多くの批判があがった所得制限が撤廃される一方、支援金の創設などで野党の批判は続きます。

物価高の今、こうした政策でどのような効果が出るのか、しっかり注視する必要があるでしょう。

参考資料

太田 彩子