5. FPからのアドバイス:単発の「定額減税」に頼りすぎない資金計画を
今後も「定額減税」の機会が断続的にあれば家計は助かるかもしれませんが、それを頼りにして生活するのは少し危うい可能性があります。
定額減税もお得な制度でありますが、それだけで老後の生活が潤うわけではないと理解した方がよいでしょう。
銀行に預けていてもお金が増えにくい「超低金利時代」。転職も当たり前の時代で、資産もキャリアも自分次第です。
日々の生活や老後は、自分自身で守るのが大切。そのためには資産運用も有効な手段かもしれません。
制度は世の中の状況で変わっていきます。今は高校の家庭科の授業で金融について学ぶ機会があり、昔と比べて変化がおきています。リスクのある資産運用も、しっかりと理解することである程度はリスクを軽減できるでしょう。
自分の金融リテラシーを高めることで豊かな老後を迎えられるかもしれません。
6. まとめにかえて
「定額減税」は多くの人にとって直接的な給付ではないため実感は湧きにくいかもしれません。しかし、6月から自由に使えるお金がいくらか増えることでしょう。
増えた手取り分は資産運用にまわしたり、自己投資や日々のご褒美などの消費に充てたりして有効に使いたいものです。
ただし、国の税制が変わることは決して珍しくないのが事実。今回のように恩恵を受けられる税制は嬉しいものですが、変化がある分だけ考えることや選択肢も増えてくるはずです。
日頃からアンテナを高くして、受けられる恩恵や利用できる制度に関する情報をキャッチしていきましょう。
参考資料
- 国税庁「令和6年分所得税の定額減税Q&A」
- 国税庁「定額減税 特設サイト」
- 国税庁「令和6年分所得税の定額減税のしかた」
- 京都市「令和6年度個人市・府民税の定額減税について」
- 名古屋市「定額減税補足給付金(調整給付)の試算(モデルケース)」
山本 大樹