6月1日に2025年度卒業者の就職活動が解禁されました。

将来を左右するかもしれない就職活動に取り組む学生にとって気になることの1つが、内定取り消しです。

本記事では、新卒採用の内定取消しについて解説します。

退職代行を使った入社早々の退職など企業とのミスマッチについても紹介しますので、自身の就職活動に役立ててください。

1. 内定取消しの状況

厚生労働省の「令和5年3月新卒者内定取消し等の状況を公表します」より、内定取消しの状況について解説します。

1.1 2023年の内定取消し者は42人

2023年3月卒業者の就職について、内定取消しした事業所は25事業所、内定取消しとなった新卒者は42人でした。

そのうち、高校卒業者が24名、大学卒業者(短大なども含む)が18名です。

同調査発表時点では内定取消しを受けた学生のうち、31人が就職済みで3名が就職活動中(8名が不明)でした。

1.2 人手不足を背景に取消し者数は低め

2009年以降の内定取消し状況は次の通りです。

  • 2009年3月卒:2143人
  • 2010年3月卒:163人
  • 2011年3月卒:598人
  • 2012年3月卒:101人
  • 2013年3月卒:76人
  • 2014年3月卒:54人
  • 2015年3月卒:60人
  • 2016年3月卒:82人
  • 2017年3月卒:86人
  • 2018年3月卒:73人
  • 2019年3月卒:35人
  • 2020年3月卒:211人
  • 2021年3月卒:136人
  • 2022年3月卒:50人
  • 2023年3月卒:42人

リーマンショック直後の2009年3月卒、東日本大震災後の2011年3月卒、新型コロナウイルス感染症の感染拡大時の2020年3月卒では、内定取消しした事業所数や取消しを受けた学生数が多い状況です。

景気が上向きで人手不足が深刻化しているここ数年は、内定取消しは減少傾向にあります。