2. 内定取消しを行った企業の状況

経済環境や社会環境により内定取消し数は大きく変わりますが、企業の状況にも大きな影響を受けます。

2.1 業績不振の企業で内定取消しが発生

内定取消しの理由(2023年度卒業者)は次の通りです。

  • 企業倒産:1事業所
  • 経営の悪化:13事業所
  • 別会社移行:3事業所
  • その他:8事業所

その他を除くと、内定取消しの大半は企業の業績不振によるものです。

また、内定取消しした企業を規模別に見ると次の通りで、小規模の企業が内定取消しの8割を占めます。

  • 従業員300人以上:4事業所
  • 従業員100人以上299人以下:1事業所
  • 従業員99人以下:20事業所

内定取消しには企業業績や企業規模が大きく影響するため、就職活動時にきちんと確認しましょう。

2.2 内定取消し企業に対する法律上の制約

内定を取消す場合、企業は事前に公共職業安定所に連絡することを義務付けられています。

業績不振などやむを得ない事情の有無を確認するためです。

また、2年度以上連続して内定取消しした企業などを厚生労働大臣が公表して、企業が安易に内定取消しを行わないように牽制しています。

毎年内定取消しが発生する一方で、無事に入社した人の早期退職も増えています。

次章では、入社初期の退職状況やその原因について解説します。