3. 入社初期の退職状況
入社直後の退職者の増加や退職代行の利用などが話題となっていますが、実際の入社初期の退職状況はどうなっているのでしょう。
厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します」をもとに解説します。
3.1 大学卒業者の就職後3年以内の離職率は32.3%
2020年3月に大学を卒業した人の3年以内の離職率は32.3%です。
中学卒業者や高校卒業者よりは低いですが、およそ3人に1日が退職する状況です。
就職先の企業規模をみると、従業員29名以下の企業の離職率が50%近くであるのに対し、1000人以上の企業は約半分の26.1%にとどまります。
また、業種別にみると、次の業種で離職率が50%前後と高い状況です。
- 宿泊業,飲食サービス業:51.4%
- 生活関連サービス業,娯楽業:48.0%
- 教育,学習支援業:46.0%
3.2 早期退職の主な原因はミスマッチ
労働政策研究・研修機構の調査によると、初めて正社員として働いた勤務先を辞めた理由は、男女別に次の通りです。
健康状態や人間関係を退職理由とする人も多いですが、労働条件や仕事内容のミスマッチが原因で早期に退職する人が多いことがわかります。
- 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった:男性31.8%、女性28.7%
- 自分がやりたい仕事とは異なる:男性29.9%、女性23.4%
「採用時の説明と違う」との声もよく聞きますが、大学OBの話や転職情報サイトの口コミなど情報収集に努めてミスマッチを減らすように努めましょう。