2. 65歳以上無職世帯の平均貯蓄額と資産内訳

65歳以上の無職世帯における、平均貯蓄額と資産の構成割合について、それぞれ確認しましょう。

65歳以上の無職世帯における平均貯蓄額は、2656万円でした。

【写真1枚目/全3枚】65歳以上世帯の貯蓄や内訳。2枚目以降の写真で「年金を増やす技」をチェック

65歳以上世帯の貯蓄や内訳

出所:総務省統計局「家計調査(貯蓄・負債編)」をもとにLIMO編集部作成

平均額だけでみると「老後2000万円問題」はクリアしています。

貯蓄額の内訳は、以下の通りです。

  • 通貨性預貯金:794万円
  • 定期性預貯金:892万円
  • 生命保険など:411万円
  • 有価証券:546万円
  • 金融機関外:13万円

資産割合をみると預貯金の割合が全体の6割を超えています。

65歳以降は定年退職して年金生活者になっているケースもあるので、無職世帯でも貯蓄額に大きな差は見られませんでした。

とはいえ、2500万円を超える貯蓄があっても、老後の生活水準によっては貯蓄が足りない可能性もあります。

では、老後生活をおくるうえで、どのようなポイントを押さえておく必要があるのか、確認しましょう。

3. ゆとりある老後生活を送るためのポイント【現役世代】

ゆとりある老後生活をおくるためには、現役世代から将来に向けて計画的な準備が必要です。

さらに老後を迎えてからも、家計の収支に問題がないかチェックする必要があります。

老後までに準備するポイントや、老後の生活で踏まえておきたいポイントを、それぞれ確認しましょう。

  • 定期的にライフプランを確認する
  • 老後に向けて不要な支出を削減する
  • 金利の高い金融商品に投資する

3.1 ポイント1:定期的にライフプランを確認する

まずは、定期的にライフプランを作成しましょう。

将来のお金がどのように流れるのかを確認して、資産運用の計画を修正すべきか、生活費をどこまで見直す必要があるか確認します。

3.2 ポイント2:老後に向けて不要な支出を削減する

家計の収支を確認する際は、不要な支出がないか確認してください。

支出項目は、変動費と固定費があります。

  • 変動費:食費、光熱費、美容代、交際費など
  • 固定費:住居費、通信費、保険料など

家計の支出を見直す場合は、毎月の支出を一定の固定費から見直すのがセオリーです。

保険料や通信費を見直して、毎月の負担を抑えられれば、貯蓄に回せる資金が増やしましょう。

3.3 ポイント3:金利の高い金融商品に投資する

最後に、金利の高い金融商品に投資することを検討しましょう。

株式や投資信託といった金利の高い商品に投資して、「お金がお金を生み出す」仕組みをつくることがポイントです。

例えば毎月3万円を20年間運用に回す場合、金利が0.2%と3%で比較すると、以下の通りです。

  • 金利0.2%:735万円(元本720万円、運用益15万円)
  • 金利3%:985万円(元本720万円、運用益265万円)

金利が高いと運用益も高くなるため、より金利の高い商品に投資をすると良いです。

ただし、投資をする場合は、以下のポイントを踏まえながら準備してください。

  • 長期投資:長期間にわたって金融資産を保有する
  • 分散投資:複数の資産にわけて投資をおこなう
  • 積立投資:毎月決まった金額で投資をおこなう

株式や投資信託に運用させるなら、NISAやiDeCoといった税制が優遇される制度を活用してください。