2. 2019年:年金の財政検証のポイントは「所得代替率」
2019年に実施された財政検証のポイントは「所得代替率」。経済成長と労働参加が進むことにより、将来的な所得代替率50%を確保できるというものでした。
「所得代替率」とは、現役男性の平均手取り収入額に対する夫婦2人の年金額の比率。
計算式として「所得代替率=(夫婦2人の基礎年金+夫の厚生年金)/現役男子の平均手取り収入額」で計算します。
2019年度の年金の財政検証の結果を基に、次の年金制度の改正が実施されました。
2.1 【2019年】「財政検証」の主なポイント
- 65歳未満の在職老齢年金の年金支給停止基準の見直し(28万円→47万円)
- 70歳→75歳へ、繰下げ受給の上限年齢引上げ
- 被用者保険の適用拡大 など
前述の通り、厚生労働省は試算対象の5項目を16日の審議会で提示しました。詳しい内容を確認していきましょう。
3. 2024年:年金の財政検証のポイントは?
年金の財政検証は、将来の財政見通しの確認により制度を見直すことが目的の1つです。
2024年の財政検証は、検討中の年金制度改正が検証のポイント。現在議論されている主な内容は次の通りです。
3.1 2024年の「財政検証」の主な5項目
- 保険料率の基準額上限を引き上げ
- 国民年金(基礎年金)納付期間の延長
- 国民年金(基礎年金)給付抑制を早期停止
- 被用者保険(厚生年金保険)の対象拡大
- 在職老齢年金制度の緩和または廃止 など
次の章からは、上記の項目から注目度の高い改正案をそれぞれ紹介します。