2024年は、5年に一度の公的年金の財政検証の年。すでに、年金制度に関する改正案が議論されています。

4月16日、厚生労働省は年金制度の改革に向けて議論の土台となる項目を発表。老後に不安を感じる人の中には、どんな議論がなされているか気になる人がいるかもしれません。

今回は、年金制度の見直しの仕組みについて紹介していきます。記事の後半では、現在議論されている内容や年金受給額の現状もチェックしていきましょう。

1. そもそも「財政検証」とは?

【写真全4枚中1枚目】2019年財政検証:複数ケースの経済前提と所得代替率の見通し。
2枚目では、2024年の「財政検証」の主なポイントを掲載。

出所:厚生労働省「いっしょに検証! 公的年金~年金の仕組みと将来~」

「年金の財政検証」とは、国民年金法第4条3項と厚生年金保険法第2条4項に定める「財政の現況及び見通し」のこと。

公的年金制度は長期的な年金財政の健全性を保つために、社会・経済の変化を踏まえて適切な算出方法に基づいて検証されます。

つまり、年金財政の将来を予測し、その結果に基づいて年金制度が改正されるのです。

厚生年金保険法や国民年金法の規定により、少なくとも5年ごとに公的年金の財政における現況と今後の見通しの作成、いわゆる「財政検証」が実施されます。

前回は2019年に実施され、今年2024年は「財政検証」が実施されるスケジュールです。

2024年に議論されている内容を確認する前に、前回の2019年に検証された内容をおさらいしていきましょう。