2. 再就職しない場合の年金はどうなる?

再就職しないとなると、厚生年金への加入はできません。

まず60歳~64歳の方で、40年間保険料を納付しすでに老齢基礎年金を満額受け取る権利を有している方は、年金加入の必要がありません。

そのまま65歳になれば年金受給が開始されますし、月々の受給額は減るものの「繰上げ受給」も可能です。

一方で、受給資格期間が不足していてそのままでは年金を受け取れない方、満額の老齢基礎年金が受けられない方は、国民年金への任意加入ができます。

住所地の市区役所、町村役場や年金事務所で加入手続きが可能です。

手続きの際には基礎年金番号通知書等、基礎年金番号がわかるものが必要となります。

65歳以上の方でも、受給資格期間が不足している場合については国民年金への任意加入が可能です。

受給資格が発生するまで、年金の納付を継続できます。

手続きは60~64歳の方と同様です。

3. 再就職する場合で厚生年金に加入するケース

続いて再就職する方のうち、一般企業など厚生年金制度のある法人に勤める場合、60~64歳の方は厚生年金保険加入の手続きが行われます。

加入手続きは事業主が行うため、加入者は法人に基礎年金番号通知書など基礎年金番号がわかるものを提出します。

また、60歳以上の方が働きながら年金を受け取るときは「在職老齢年金」の支給調整が適用されます。

これは総報酬月額(各月の標準報酬月額+過去1年の標準賞与額の合計額の1/12)が50万円を超えるときに(総報酬月額相当額+基本月額-50万円)×1/2の金額の年金が支給停止となる制度です。

65~69歳の方も、やはり厚生年金保険へ加入し総報酬月額が50万円を超えると支給調整が行われます。

70歳以上になると、基本的には被保険者資格を喪失するため、加入してさらに納付を継続することはできません。

ただし、受給資格期間が不足している場合には、厚生年金保険への加入が可能です。

総報酬月額に応じて受給調整が行われる点は共通しています。