5. 資産運用のリスク
冒頭でお伝えしたように、新NISAを含め資産運用には元本保証は基本的にはありません。
つまり、運用成果によっては大きく増える可能性もあれば減る可能性もあり、時には損をしてしまうこと(前章での2000万円を下回ること)もあります。
資産運用を始めるうえでは、この点を十分に理解したうえで始めなければいけません。
そこで、できる限りリスクを抑えるために必要になるのが「分散」の考え方になります。資産運用において「分散」は、運用のプロも取り入れている必要不可欠な要素といえるでしょう。
分散にはいくつかありますが、ここでは「長期分散」にフォーカスします。
新NISAのような投資信託を活用した資産運用では、政治・経済情勢やその他の様々な要因によって価格が常に変動を繰り返しています。
短期投資では購入するタイミング、売却するタイミングの影響を受けやすく大きなリターンを狙える可能性がある一方で、リスクも比較的高くなり投資初心者には難しい運用方法といえるでしょう。
その点、長期投資では購入や売却のタイミングの影響を受けることが少なく、リターンを得るまで時間はかかりますがリスクを比較的抑えることができ、投資初心者にはおすすめの運用方法となります。
6. 老後資金としてNISAの活用も選択肢の一つ
NISA制度を活用して、老後資金の確保を行うのは選択肢の一つと言えます。
準備期間が長いほど、メリットも高くなるでしょう。
一方で、リスクについてはしっかり認識しておく必要があります。積立を継続できなければ元本を下回るリスクも高まるため、「働き続けるための健康維持」や「働けなくなることへ保険で備える」なども重要です。
それぞれの方法について、一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
奥田 朝
執筆者
大阪府大阪市出身。関西学院大学総合政策学部卒。大学卒業後、日本生命保険相互会社に入社。個人・法人顧客に対しての新規開拓・コンサルティング営業に従事。生命保険販売を通じ、FPとして若年層から富裕層までの幅広い層のお客様への相談経験をもつ。ライフスタイルに合った保障と資産運用のバランスの良い持ち方のアドバイスを強みとする。現在は個人向け資産運用会社にて、資産運用のサポート業務をおこなう。一種外務員資格(証券外務員一種)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、AFP(Affiliated Financial Planner)を保有。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年9月4日更新)