相次ぐ値上げに電気代助成の打ち切りと、お金に対する不安が募る昨今ですが、2024年5月17日、総務省から「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-」が公表されました。

こちらによると、最新の貯蓄額平均は全世帯で1904万円となり、5年連続の増加ということです。

全世帯で比較しても、いまいち我が家の位置がわからないという方が多いのではないでしょうか。

そこで、世帯年収ごとの貯蓄額や平均年齢などをデータから探っていきます。今回は世帯年収600万円台の世帯にフォーカスを当てていきましょう。

1. 個人の平均年収は若干の上昇傾向

国税庁による「令和4年分民間給与実態統計調査」からは、日本における平均給与が若干の上昇傾向であることが読み解けます。

【写真1枚目/全3枚】日本における平均給与の推移。2枚目の写真では「世帯年収600万円台家族」のお金事情を見ていく1/3

日本における平均給与の推移

出所:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」

  • 2014年:421万円
  • 2015年:423万円
  • 2016年:425万円
  • 2017年:434万円
  • 2018年:439万円
  • 2019年:438万円
  • 2020年:435万円
  • 2021年:446万円
  • 2022年:458万円

長らく400万円台が続いており、今後の賃上げが進むのか注目する方も多いです。

では、「世帯年収600万円台」という世帯について深堀りしていきましょう。

2. 世帯年収600万円台の家族のようす

厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、2021年における「児童のいる世帯」の雇用者所得平均は689万7000円でした。

※同調査において、雇用者所得とは「世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額をいい、税金や社会保険料を含む。」と定義されています。

子どもがいる世帯において、世帯年収600万円台は平均的な水準と言えるでしょう。

一つの目安として、総務省の資料から年収600万円台世帯の貯蓄額等を見ていきます。

2.1 【年収600~650万円】二人以上世帯の家族のようす

  • 世帯主の年齢:54.2歳
  • 世帯人員:3.09人(うち18歳未満:0.71人)
  • 女性の有業率:55.6%
  • 持ち家率:86.5%
  • 平均年収:621万円

年収650~700万円世帯の世帯主の平均年齢は54.2歳です。

女性の有業率は55.6%で、半数以上が共働き世帯となっていますね。片働きで「年収600万円」に到達している世帯は44.4%のようです。

また、家族の人数は3人を超え、うち0.71人は18歳未満とのこと。これから教育費がかさむ世帯であるとうかがえます。

2.2 【年収650~700万円】二人以上世帯の家族のようす

  • 世帯主の年齢:53.1歳
  • 世帯人員:3.20人(うち18歳未満:0.82人)
  • 女性の有業率:51.9%
  • 持ち家率:83.8%
  • 平均年収:672万円

続いて年収650~700万円世帯に目をうつすと、世帯主の平均年齢は53.1歳となっています。

女性の有業率が51.9%まで下がりました。こちらも今後教育費がかさむ世帯が含まれています。

世帯年収ごとの家族のようす2/3

世帯年収ごとの家族のようす

出所:総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-」をもとにLIMO編集部作成

次章から、世帯年収ごとの貯蓄額等も見ていきましょう。

3. 世帯年収600万円台世帯の貯蓄や負債はいくら?

総務省の同資料から、次は世帯年収600万円台世帯の貯蓄や負債について見ていきましょう。

3.1 【年収600~650万円】二人以上世帯の貯蓄額

平均貯蓄額:1517万円
〈内訳〉

  • 金融機関:1498万円
  • うち通貨性預貯金:531万円
  • うち定期性預貯金:448万円
  • うち生命保険など:291万円
  • うち有価証券:228万円
  • 金融機関外:19万円

平均負債額:745万円(うち、住宅・土地のための負債は689万円)

3.2 【年収650~700万円】二人以上世帯の貯蓄額

平均貯蓄額:1780万円
〈内訳〉

  • 金融機関:1732万円
  • うち通貨性預貯金:576万円
  • うち定期性預貯金:428万円
  • うち生命保険など:384万円
  • うち有価証券:344万円
  • 金融機関外:48万円

平均負債額:949万円(うち、住宅・土地のための負債は827万円)

貯蓄額は1500万円を超えますが、負債額も多く、純資産額はわずかとなりました。中でも住宅・土地のための負債が多くを占めているようです。

世帯年収ごとの貯蓄額3/3

世帯年収ごとの貯蓄額

出所:総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-」をもとにLIMO編集部作成

4. ライフプランに合わせた貯蓄計画を

世帯年収600万円台世帯にフォーカスをあて、家族のようすや貯蓄額を見ていきました。

全世帯の貯蓄額が「平均で1904万円」という話題に対し、「年齢や世帯年収ごとに見ないと意味がない」という声がしばしばあがります。

しかし、実際に世帯年収ごとの金額を見ていかがでしょうか。やはり「我が家の参考にはならない」と感じた方がいるかもしれません。

どれほど世帯属性を細分化させても、平均されてしまうと実態とかけ離れてしまうことは否めません。

統計資料はひとつの参考になるものの、やはり「個人や世帯に合わせたライフプランごとの貯蓄計画」が必要になるのではないでしょうか。

例えば、今回の統計資料において年収600万円台世帯の世帯人数は3人台でした。子どもが1人増えるだけで、生活費と教育費はぐんと伸びます。

支出額が増える中で必要な貯蓄額も大きくなるので、戦略が重要になるでしょう。

戦略とはすなわち、「いつまでに」「いくら」「どのように」貯めるのかということです。

子どもの年齢によってゴールは異なります。子どもの進路によって金額も異なります。

ライフプランとキャッシュフローについて、一度計画を立てておくことが重要でしょう。

また、教育費に一息ついたときは老後が迫っています。老後の準備も平行して進めておくことが理想となるので、できれば同時に検討しておきたいですね。

「両方の対策は無理」という場合は、「どのように」の戦略が必要かもしれません。

月々を預貯金に回すだけではペースが上がらないため、資産運用や保険などもバランスよく振り分けておきたいですね。

実際、統計上は「有価証券」の割合が年々高まっていることも読み解けます。

5. まとめにかえて

世帯年収600万円台世帯にフォーカスをあて、家族のようすや貯蓄額を見ていきました。

実際には家庭に合わせた貯蓄計画が重要になります。

まずは現状を把握し、これからの計画を立ててみてはいかがでしょうか。

参考資料