2. 年金支給が60万円の人、本当にいるの?

ここからは受給額別の受給者数を確認していきましょう。

なお、国民年金は満額でも月額6万8000円なので、ここでは厚生年金のみを参照しています。

厚生年金の月額と受給権者数一覧

年金受給額別の受給者数

出所:厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

厚生年金を月額30万円以上受給している人は全体の約0.08%、具体的には1万2490人にとどまっています。

内訳を見ると、男性は1万2164人で約0.11%、女性は326人でわずか約0.001%です。

このわずかな割合の中に「約60万円」という高額な年金を受け取る人が存在するのでしょうか。

次章に続きます。

3. なぜ60万円もの年金が支給されるのか

結論から申し上げますと、年金支給日に約60万円を支給される人は確かに存在します。というのも、年金は2ヶ月分がまとめて偶数月に支給されるためです。

具体的には、厚生年金や国民年金の受給者には、毎月ではなく、年に6回、偶数月の15日(※)に支給が行われます。

したがって、月額30万円を受給している人の場合、年金支給日には2ヶ月分である60万円が一度に支給されることになります。

現代シニアにおいては、偶数月に支給される2ヶ月分の年金をうまく管理し、不足が生じないようにする必要があります。

特に、次回支給日までの生活費や突発的な出費を考慮して予算を組むことが重要です。

たとえば、次回の支給日は6月14日(金)となります。この日には4月と5月分の年金がまとめて支給されるため、次の支給日である8月15日までの生活費を計画的に管理することが重要です。

また、支給日が土日や祝日にあたる場合は、直前の平日に支給が行われる点も注意が必要です。

このため、受給者は支給日がいつになるかを把握し、家計管理の計画に役立てることが大切です。

年金支給日にまとまった額が振り込まれるため、一見すると大金が振り込まれたように感じられますが、実際には次の支給日までの生活費をカバーするためのものであることを理解しておきましょう。

計画的に支出を管理し、予期せぬ出費に備えるための緊急予備費を確保することも大切ですね。

年金は老後の重要な生活資金源であり、適切に管理することで安定した生活を維持することができます。

年金受給者は、支給タイミングと金額を把握し、計画的な家計管理を行うことで、安心して生活を送ることができるでしょう。

※15日が土日または祝日の場合、直前の平日が支払日になる