今年は5年に一度の公的年金の財政検証の年に当たり、年金制度についてさまざまな改正案が出ています。

老後生活に不安を感じている人の中には、どんな改正が議論されているか、気になる人もいるでしょう。

本記事では、年金のプロが注目する年金制度の改正案について解説します。

改定による影響についても紹介しますので、老後を支える公的年金の基礎知識として内容を確認しておきましょう。

1. 年金の財政検証

年金の財政検証とは、「公的年金の長期にわたる財政の健全性を定期的にチェック」することにより年金制度の持続可能性を担保するものです。

5年に一度実施され、2024年が財政検証の年に当たります。

財政検証では年金財政の現状をチェックするだけでなく、今後の年金制度改革の方向性も検討されます。

今回の財政検証では、次の改正などが議論されています。

財政検証での議論内容。写真2枚目で在職老齢年金制度のフローチャートも確認

財政検証での議論内容

出所:厚生労働省「第14回社会保障審議会年金部会」

  • 被用者保険(厚生年金保険)の更なる適用拡大
  • 在職老齢年金制度の緩和または廃止
  • 国民年金加入期間の延長と基礎年金の増額
  • 厚生年金の標準報酬月額の上限引き上げ など

上記の中から注目度の高い主な改正案について解説します。