2. 介護保険料は所得によって異なる

前述の第1号被保険者の保険料推移は各市区町村が定める「基準額」の平均金額で、実際の保険料は、各基準額を基に所得などによって異なります。

低所得者の負担を軽減する一方、高所得者の保険料は高くなります。

所得による区分は、市区町村によって異なります。

2024年度から国の標準段階は、9段階から13段階へと改訂されました。

所得による保険料の格差を大きくして、低所得者の保険料上昇を抑えるためです。

介護保険料の推移と計算方法について解説してきましたが、次章では2024年度の介護保険料は実際にいくらになるかについて解説します。

3. 2024年度の介護保険料(第1号被保険者)

主な都市の2024年度の介護保険料は次の通りです。

3.1 東京都新宿区の介護保険料

東京都新宿区の第1号被保険者の介護保険料(基準額)は、月額6400円から6600円に200円アップします。

また、所得による区分を16段階から18段階に変更しています。

東京都新宿区の第1号被保険者の介護保険料

東京都新宿区の第1号被保険者の介護保険料

出所:新宿区「介護保険料の決まり方」

世帯全員が住民税非課税、所得が年金のみで、年金所得が120万円以下(年金収入230万円以下)ならば介護保険料は月2310円で済みます。

一方、一定以上の所得がある人は保険料が1万円を超える(最大3万8280円)こともあります。

なお、東京都の市区町村の基準額の平均は月6320円で、大半の市区町村で保険料が引き上げられました。

  • 保険料引き上げ:46市区町村
  • 保険料変更なし:12市区町村
  • 保険料引き下げ:4市区町村

3.2 大阪市の介護保険料

大阪市の介護保険料(基準額)は、月額8094円から9249円にアップします。

新宿区と比較した場合、大阪市は元々保険料水準が高い上に保険料が大きく増えたため、保険料に2600円もの差が生じました。

介護保険料は地域ごとの介護サービスに必要な費用と65歳以上人口をもとに計算されるため、地域によって保険料が大きく異なることもあります。

3.3 介護保険料の確認方法

介護保険料は市区町村によって異なります。

保険料は市区町村から送付される「保険料決定のお知らせ」などで通知されますが、居住地の地方公共団体ホームページでも確認できます。