2024年度(令和6年度)から、介護保険の第2号被保険者の平均保険料は、月額6276円(前年度は6216円)に引き上げられる見込みです。

では、65歳以上の第1号被保険者の保険料はどうなるのでしょうか。

本記事では、65歳以上の介護保険料の令和6年度改定について解説します。

保険料の計算方法についても解説しますので、今後の家計収支を考えるときの参考にしてください。

1. 要介護者の増加により介護保険料は増加傾向

高齢化の進展に伴い要介護者は増加しており、それに伴い介護保険料も年々アップしています。

要介護者と介護保険料の推移について確認しておきましょう。

1.1 要介護者・要支援者の推移

厚生労働省「令和3年度 介護保険事業状況報告(年報)」によると、2021年度の要介護と要支援の認定者数は約690万人で、公的介護保険制度がスタートした2000年度から約2.7倍に急増しています。

要介護者・要支援者の推移。写真後半では新宿区における保険料の目安額もチェック

要介護者・要支援者の推移

出所:厚生労働省「令和3年度 介護保険事業状況報告(年報)」

1.2 介護保険料の推移

要介護者・要支援者の増加とともに、介護保険料もアップしています。

保険料は第1号保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40~64歳)で異なります。

第2号被保険者の保険料は毎年改定されますが、第1号被保険者の保険料は3年毎に改定されます。

第1号保険料と第2号保険料の推移

第1号保険料と第2号保険料の推移

出所:厚生労働省「令和6年度介護納付金の算定について(報告)」

第9期となる令和6年度は、第2号保険料が月額6276円見込みとされており、公的介護保険制度開始の2000年度(平成12年度)と比較して、保険料は2倍以上です。

第1号被保険者の保険料は市区町村によって異なりますが、第2号被保険者と同水準になるように設定されるため、2024年度の保険料はアップする自治体が多くなりました。