3. 6月分の手取りはいくら増えるかシミュレーション

定額減税が適用されると手取り額がいくら増えるのか、「夫婦2人の世帯」と「子育て世帯」でシミュレーションしていきます。

3.1 夫婦2人の世帯

夫婦2人の世帯では、定額減税が適用されることで所得税が5958円、住民税が1万1917円減額されるので、合計1万7875円手取りが増えることになります。

シミュレーション条件や計算方法は以下の通りです。

【シミュレーション条件】

  • 夫の月収:35万円(年収420万円)
  • 妻:専業主婦
  • 社会保険料は給与の15%とする
  • 住民税は課税所得の10%とする

【所得税】

定額減税は、夫と妻の2人分なので、所得税では6万円(3万円×2人分)が控除されます。6月分の所得税は5958円と計算でき、この分が控除されるためその分手取りが増えます。

減税分はまだ5万4042円余裕があるため、翌月以降も満額に達するまで減税を受けることが可能です。

【住民税】

住民税の定額減税は夫婦で2万円(1万円×2人分)が適用されます。住民税は、年額14万3000円から2万円が控除された12万3000円が、7月から2025年5月の11回に分けて1万1182円ずつ徴収されます。

本来、6月分で徴収される住民税は1万1917円だったので、その分手取り額が増える計算です。

3.2 子育て世帯

夫婦と子ども2人の子育て世帯では、所得税が1万3542円、住民税が2万1667円減税されるので、6月分の給与では合計3万5209円手取り額が増えます。

シミュレーション条件や計算方法は以下の通りです。

【シミュレーション条件】

  • 夫の月収:50万円(年収600万円)
  • 妻、子ども:夫に扶養されている
  • 社会保険料は給与の15%とする
  • 住民税は課税所得の10%とする

【所得税】

定額減税は、夫と妻、扶養親族2人の合計4人なので、所得税では12万円(3万円×4人分)が控除可能です。6月分の所得税は1万3542円と計算でき、この分が控除されるためその分手取りが増えます。

減税分はまだ10万6458円余裕があるため、翌月以降も満額に達するまで減税を受けられます。

【住民税】

住民税の定額減税は、夫と妻、扶養親族2人なので4万円(1万円×4人分)が適用されます。住民税は、年額26万円から4万円が控除された22万円が、7月から2025年5月の11回に分けて2万円ずつ徴収されます。

本来、6月分で徴収される住民税は2万1667円だったので、その分手取り額が増える計算です

4. まとめにかえて

定額減税により、6月支給の給与や賞与から所得税や住民税が減額されます。その分手取り額が増えますが、どのくらい増えるのかは世帯により異なります。

物価上昇により家計が圧迫されている世帯にとっては喜ばしい施策ですが、恩恵を受けられる金額には限りがあるため有効に活用しましょう。

参考資料

木内 菜穂子