3. 遺族年金の支給額

遺族年金の支給額を、基礎年金と厚生年金に分けてそれぞれ解説します。

3.1 遺族基礎年金

遺族基礎年金の支給額は、受給対象である子のいる配偶者と子どもで異なります。

それぞれの受給額(2024年度)は、以下の通りです。

  • 子のある配偶者が受け取るとき:81万6000円+子の加算額(1956年4月2日以降生まれ)
  • 子が受け取るとき:(81万6000円+子の加算額)÷子どもの人数

子の加算額は、3人目以降から異なります。

  • 1人目および2人目の子の加算額:各23万4800円
  • 3人目以降の子の加算額:各7万8300円

もし、子どもが2人いる場合、夫が受け取れる遺族基礎年金額は以下の通りです。

  • 81万6000円+23万4800円+23万4800円=128万5600円

月額で換算すると約10万7000円です。

では、遺族厚生年金の受給額を確認しましょう。

3.2 遺族厚生年金

遺族厚生年金の支給額は、死亡した人の老齢厚生年金における、報酬比例部分の4分の3が支給されます。

報酬比例部分は、以下の計算式で算出します。

報酬比例部分の計算式

報酬比例部分の計算式

出所:日本年金機構「報酬比例部分」

そのため、平均標準報酬月額によって支給額が異なります。

とはいえ、専業主婦の期間が長ければ、上乗せ額は少額になるでしょう。

また、子のいない夫の場合、妻が先立たれた時に55歳以上である必要があります。

また、その場合には60歳以降にしか支給されません。

4. 遺族年金の制度

遺族年金の制度については、改正に向けて活発な議論が行われています。

男女の支給要件に格差がある点を是正できないか、厚生労働省の審議会で議論が行われました。

2025年の制度改正が実現するのか、引き続き注目が集まります。

参考資料

川辺 拓也