人手不足の飲食店やコンビニエンスストアで大半の業務を一人で行うことを意味する「ワンオペレーション」という言葉を転用した造語「ワンオペ育児」はすっかり子育て世代に浸透した言葉になっています。
シングルだけでなくパートナーがいても片方の親が子育て、家事のほとんどを担当している「ワンオペ育児」を表しています。
仕事をし、ワンオペ育児をしていると一日があっという間に過ぎ去りますが、そうした中でも子どもは成長し小学校入学、中学進学とどんどん学年が上がっていきます。
子どもが就学して以降、親は「子どもの勉強」という新しい悩みと向き合うことになります。学校の宿題にしっかり取り組み、授業を理解するには家庭学習の定着が欠かせません。しかし、忙しい中で「勉強しなさい」と子どもに丸投げで学習習慣を定着させるのは無理があります。
今回はワンオペ育児でも子どもの学習習慣を定着させるポイント3つをご紹介していきます。
1. 【ワンオペ育児】ポイント1「親子が同じ空間にいるタイミングを勉強時間にする」
厚生労働省の令和5年版厚生労働白書「つながり・支え合いのある地域共生社会」の資料である「共働き等世帯数の年次推移」をみると、共働き世帯の数は年々上昇していることがわかります。
- 2012年 男性雇用者と無業の妻からなる世帯:787万世帯 雇用者の共働き世帯:1054万世帯
- 2013年 男性雇用者と無業の妻からなる世帯:745万世帯 雇用者の共働き世帯:1065万世帯
- 2014年 男性雇用者と無業の妻からなる世帯:720万世帯 雇用者の共働き世帯:1077万世帯
- 2015年 男性雇用者と無業の妻からなる世帯:687万世帯 雇用者の共働き世帯:1114万世帯
- 2016年 男性雇用者と無業の妻からなる世帯:664万世帯 雇用者の共働き世帯:1129万世帯
- 2017年 男性雇用者と無業の妻からなる世帯:641万世帯 雇用者の共働き世帯:1188万世帯
- 2018年 男性雇用者と無業の妻からなる世帯:606万世帯 雇用者の共働き世帯:1219万世帯
- 2019年 男性雇用者と無業の妻からなる世帯:582万世帯 雇用者の共働き世帯:1245万世帯
- 2020年 男性雇用者と無業の妻からなる世帯:571万世帯 雇用者の共働き世帯:1240万世帯
- 2021年 男性雇用者と無業の妻からなる世帯:566万世帯 雇用者の共働き世帯:1247万世帯
- 2022年 男性雇用者と無業の妻からなる世帯:539万世帯 雇用者の共働き世帯:1262万世帯
出所:厚生労働省 令和5年版 厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会-「共働き等世帯数の年次推移」より一部抜粋
上記資料および数字を見ると「母親が家庭で子どもの育児や家事に専念する」という時代は過去のものになっていることがわかります。
仕事をしながらの子育てでは、平日子どもと過ごせる時間は朝起きてから出勤、または学校に行くまでと、仕事が終わって帰宅してから子どもの就寝までと限られています。
限られた時間の中で、親は家事を行いつつ、子どもの勉強をみることになります。
学習習慣がないと「宿題やったの?」「なんでやっていないの」という押し問答が続き、貴重な時間がどんどんなくなっていきます。
こうしたタイムロスを作らないためにも「家で勉強するのが当たり前」という気持ちになるよう誘導することが必要です。習慣化するには、まず親の目が行き届く場所で勉強させるようにしましょう。
親が夕飯の支度などをしている時に、ダイニングテーブルやリビングなどで宿題や家庭で使用している教材で勉強していると、子どもの様子が確認しやすくなります。子どもも、分からないことがあったらすぐに質問することができます。
、また「夕飯を作る時間」「ご飯を食べて食器を片づけている時間」と毎日決まった時間帯を勉強時間にしていると、学習習慣が定着しやすくなります。逆に毎日違った時間帯、場所で勉強していると「今日はいいや」と継続するのが難しくなり、習慣化も遠のいてしまいます。
親子がお互いに顔を合わせる時間、会話数は子どもが成長していけば減っていくので親子で過ごす貴重な時間を有効活用しましょう。