2. 世帯別・70歳代の貯蓄割合を深堀り
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」によると、70歳代の単身世帯・二人以上世帯それぞれの貯蓄割合は下記の結果となりました。
単身世帯・二人以上世帯ともに、全体の約25%の世帯が貯蓄2000万円以上を保有しています。
しかし、貯蓄ゼロとなる「金融資産非保有」に注目すると、単身世帯・二人以上世帯ともに全体の約20〜25%を占めているのが現状です。
貯蓄2000万円以上を保有している世帯と、貯蓄ゼロの世帯の合計が約半数になることから、貯蓄ができている世帯・できていない世帯の二極化傾向になっていることがわかります。
近年では「老後2000万円問題」が話題になったことから、「老後の資金準備」が重要視されています。
しかし、老後に必要な資金は世帯によって異なり、仮に、老後の年金収入で生活費を補うことができれば、貯蓄が2000万円なくても生活していける可能性が高くなります。
では、実際のところ老後の年金収入はどのくらいなのでしょうか。
次章にて、現在の70歳代が受け取っている公的年金の平均月額について紹介していきます。
3. 【70歳代】国民年金と厚生年金の平均月額はいくら?
続いて、70歳代のシニア世代が現在受け取っているリアルな年金月額について確認していきましょう。
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、70歳代が受け取っている国民年金と厚生年金の平均月額は下記のとおりです。
【70歳代 国民年金の平均月額一覧】
- 70歳:5万7320円
- 71歳:5万7294円
- 72歳:5万7092円
- 73歳:5万6945円
- 74歳:5万6852円
- 75歳:5万6659円
- 76歳:5万6453円
- 77歳:5万6017円
- 78歳:5万5981円
- 79歳:5万5652円
【70歳代 厚生年金の平均月額(国民年金を含む)一覧】
- 70歳:14万1350円
- 71歳:14万212円
- 72歳:14万2013円
- 73歳:14万5203円
- 74歳:14万4865円
- 75歳:14万4523円
- 76歳:14万4407円
- 77歳:14万6518円
- 78歳:14万7166円
- 79歳:14万8877円
70歳代が受け取っている公的年金は、国民年金で月に約5万円、厚生年金で約14万円となっています。
上記をみてわかるように、老後に受け取れる公的年金が「国民年金のみ」か「厚生年金か(国民年金を含む)」かによって、受給額には大きな差が生じています。
さらに本章で紹介した平均月額は「額面の金額」であり、実際には税金や社会保険料が天引きされた状態での受給となるため、手取り額は少なくなることが予想されます。
老後の生活費は世帯によって様々ですが、老後の年金収入が国民年金のみの場合だったり、厚生年金でも平均月額以下だったりする場合は生活は厳しいものになるでしょう。
最後に「100%年金だけで暮らしている世帯」の割合も確認します。