総務省統計局の直近調査によると、75歳以上の人口は前年と比較して72万人増加しており、初めて2000万人を超える結果となりました。

上記は、1947年~1949年生まれである「団塊の世代」が2022年から75歳を迎えていることが要因として考えられます。

また、日本の総人口の23.2%が70歳以上となっており、現代においては高齢化社会がさらに進行していることがみてとれます。

近年では「老後2000万円問題」が話題になっていますが、老後生活を迎えている70歳代の貯蓄事情はどのようになっているのでしょうか。

働くシニアが増える日本ではありますが、70歳では仕事を引退し、貯蓄と年金収入だけで暮らしていきたいと考える方も多いでしょう。

本記事では、70歳代の平均貯蓄額・貯蓄割合を世帯別に紹介していきます。

記事の後半では、70歳代が受け取っている年金収入についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. 70歳代の平均貯蓄額はいくら?

まずは、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」の資料を参考に70歳代の平均貯蓄額を見ていきましょう。

上記調査によると、70歳代 二人以上世帯・単身世帯の平均貯蓄額は下記のとおりです。

70歳代の平均貯蓄額

70歳代の平均貯蓄額

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」の各資料をもとに筆者作成

70歳代の貯蓄平均値をみると、ともに1000万円超えであることから「老後に向けてしっかりと貯蓄している人が多い」と思った方もいるかもしれません。

しかし平均値は、極端に大きい数があるとその数に偏る傾向にあるため、中央値のほうが一般的な70歳代の貯蓄実態に近いです。

70歳代の貯蓄中央値をみると、二人以上世帯で700万円、単身世帯で500万円となっており、どちらも1000万円に到達できていません。

また、平均値と中央値の差が1000万円以上もあることから、貯蓄格差があることもうかがえます。

次章にて、70歳代の貯蓄事情について「貯蓄割合」の観点から、より詳しくみていきましょう。