4. 年金だけで生活する高齢者世帯は44%
厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」では、100%年金だけで生活している人は全体の44%のみであることがわかっています。
つまり、半数以上は年金だけでは生活できていないのが現状であり、多くの人が年金以外の老後資金が必要になることがうかがえます。
4.1 公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:44.0%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80~100%の世帯:16.5%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%の世帯:13.9%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%の世帯:13.5%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~40%の世帯:8.5%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満の世帯:3.6%
上記をふまえたうえで、「年金だけでは生活が不安」と感じた方は、今のうちから老後の備えをしておけると良いでしょう。
なお、年金額には個人差があるため、ご自身の年金額を知りたい人は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で見込額を確認してみることをおすすめします。
5. 老後の備えを始めよう
本記事では、70歳代の平均貯蓄額・貯蓄割合を世帯別に紹介していきました。
70歳代の平均貯蓄額は、二人以上世帯・単身世帯ともに1000万円に到達しておらず、約2割の世帯が貯蓄ゼロの状態で老後生活を送っています。
老後に受け取れる年金収入は、現役時代と比較すると大幅に下がってしまうことが予想されるため、年金だけに頼らない老後の備えをしておくことが大切です。
まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などでご自身が将来受け取れる年金見込額を確認し、そのうえで老後に必要な資産をシミュレーションしてみると良いでしょう。
参考資料
- 総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
太田 彩子