連合は2024年4月16日に「2024春季生活闘争 第4回回答集計結果について」を発表しました。

2024年における賃上げ率は、全体で5.20%で過去最高水準となっています。

さまざまな企業で賃上げが進む中、受信料で給与を支払っているNHKでは、賃上げは行われるのでしょうか。

今回は、NHKの給与体系について解説します。

記事の後半では、2024年に支払う受信料がいくらなのかも解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

1. NHKの給与体系とモデル年収

NHKの職員に支払う給与は、放送受信料から支払われています。

賃上げ状況を確認する前に、給与体系やモデル年収について確認しましょう。

1.1 給与体系

NHKの給与体系は「基準賃金」「基準外賃金」「諸手当」からなる給与と、賞与に分かれます。

基準賃金は、基本給です。

基準外賃金は、残業や休日勤務に支払われます。

諸手当は、家族手当と赴任手当の2つから構成されています。

【写真1枚目/全5枚】NHK職員の諸手当。写真後半ではNHK受信料の月額もチェック

NHK職員の諸手当

出所:日本放送協会「職員の給与等の支給の基準」を元に筆者作成

基準賃金は、各クラスごとに支払う上限と下限が決まっています。

一般職にあたる「業務職」と、管理職にあたる「基幹職」それぞれで、支払う基本給が異なります。

一例として、業務職の上限額と下限額を確認しましょう。

業務職の上限額と下限額

業務職の上限額と下限額

出所:日本放送協会「職員の給与等の支給の基準」を元に筆者作成

  • 業務職1(1):上限16万4950円・下限24万円
  • 業務職1(2):上限24万3360円・下限27万1360円
  • 業務職2(1):上限27万8360円・下限30万6360円
  • 業務職2(2):上限31万360円・下限33万8360円
  • 業務職3(1):上限34万360円・下限36万8360円
  • 業務職3(2):上限36万9000円・下限40万5000円

ただし、57歳以上は役職定年を採用しているので、基本給の部分を2割減らします。

NHKの職員が受け取っている実際のモデル年収がいくらになるのか、確認しましょう。

1.2 モデル年収

大卒の場合、NHKのモデル年収は30歳で531万円、35歳で660万円となっています。

国税庁が2023年9月に公表した「民間給与実態統計調査」によると、2022年の平均給与は458万円でした。

日本の平均年収の推移

日本の平均年収の推移

出所:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」

NHKの職員が受け取る年収は、日本人の平均給与よりも高いといえます。

では、受信料から給与を支払っているNHKは、賃上げを実施する見通しはあるのか確認しましょう。