2. 年収1000万円以上世帯の平均貯蓄額・負債額

年収が1000万円以上の世帯では、どのくらいの貯蓄額があるのでしょうか。また負債額についてもあわせて確認していきましょう。

2.1 平均貯蓄額は3146万円、中央値は1390万円

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、年収1000万円以上の世帯の平均貯蓄額は3146万円です。

ただし、中央値は1390万円となっており、平均と大きく乖離しています。高額な貯蓄額の世帯が平均貯蓄額を引き上げていると考えられるため、実際には1500万円弱を平均とみるのが妥当でしょう。

ちなみに、全国の平均貯蓄額は1307万円、中央値は330万円です(金融資産なしの世帯も含む)。年収1000万円以上の世帯は、平均的な貯蓄額の世帯よりも約2.4倍の貯蓄額があり、中央値も約1000万円高くなっています。

2.2 平均負債額は1859万円、中央値は1625万円

年収1000万円以上の世帯では、平均的な所得の世帯よりも借入をしている割合が多いです。

借入金があると回答した世帯は、年収が「1000万円以上1200万円未満」の世帯の22.6%、年収「1200万円以上」の世帯で17.6%です。

年収1000万円以上の世帯の平均負債額は約2977万円で、中央値は1750万円です。

全国の平均負債額は1496万円、中央値は900万円なので、年収1000万円以上の世帯は平均よりも約1500万円多く負債を抱えており、中央値も約2倍高額になっていることがわかります。

これらの結果より、年収1000万円以上の世帯では平均的な年収の世帯よりも、貯蓄額は多いですが、負債額も高額になる傾向にあるといえます。

3. まとめにかえて

年収が1000万円以上ある世帯は約12.6%で、約8世帯に1世帯の割合が該当することになります。全国の平均所得は545万7000円なので、2倍弱の収入がありうらやましい世帯といえます。

ただし、年収1000万円以上の高収入世帯は、平均的な年収の世帯よりも貯蓄額は多い一方で、負債額も高額になる傾向があります。

年収1000万円以上を目指すには、資格取得やスキルアップ等に力を入れたり、空いた時間を活用して副業したりする方法があります。また、収入を増やすと同時に、無駄な支出を減らすこともあわせて取り組むと効果的です。

参考資料

木内 菜穂子