2024年4月に公表された「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)3月分」によると、消費者物価指数の総合指数は前年同月比で2.7%の上昇となりました。
賃上げの動きは見られるものの、実質賃金が下がる中、家計の苦しさを感じる方も多いでしょう。
こうした事態を受け、6月からは定額減税が控えています。所得税3万円+住民税1万円の合計4万円が順次減税される予定ですが、住民税非課税世帯へは「7万円の現金給付」が行われています。
ここで「住民税非課税世帯とは?」「ウチとは何が違うの?」と感じた方もいるでしょう。
本記事では、給付金の対象となる「住民税非課税世帯」について解説します。
記事の後半では、「住民税非課税世帯」に対する主な優遇制度についても確認していきましょう。
1. 私たちが納めている「住民税」とは?
そもそも住民税とは、公共施設や学校教育の運営費、上下水道やごみ処理といった行政サービスなど、各地域で必要となる費用を分担するための税制度です。
一括して納めているものの、厳密には都道府県民税と市町村民税にわかれます。どちらもその都道府県・自治体での暮らしをより良くするための税金と言えるでしょう。
住民税は、所得額に応じて負担する「所得割」と、誰もが等しく負担する「均等割」の2つから構成されます。
自治体によって違うこともありますが、おおよそ均等割が5000円、所得割が所得×10%で計算します。
こうした住民税は私たちが毎月、給与天引きや納付書、口座振替によって納めていますね。
一方、住民税が課税されていない=住民税非課税という人もいます。
2. 「住民税非課税世帯」とはどんな世帯なのか
住民税非課税世帯とは、世帯員全員が住民税を課税されていない状態の世帯を指します。
【例】
- 同一世帯員の全員が、住民税を課税されていない:住民税非課税世帯
- 父は住民税が課税されるが、その妻と子どもは非課税:住民税課税世帯
- 親世帯は住民税が課税されていないが、子世帯は課税されている。ただし住民票の世帯は別:親世帯のみ住民税非課税世帯
では、どういう場合において住民税非課税世帯となるのでしょうか。まず、生活保護法による生活扶助を受けている場合、住民税非課税世帯となります。
また、所得が一定以下の場合も住民税非課税世帯になります。
自治体によって異なるケースがありますが、例えば東京都23区内においては、下記の要件が示されています。
- 未成年者、寡婦、ひとり親、障がい者のいずれかで前年の合計所得が135万円以下(給与収入になおすと、年収204万4000円未満)
- 前年の合計所得や総所得が市区町村の条例で定められた次の金額以下である
- 同一生計の配偶者または扶養親族がいる場合
合計所得金額が35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
- 同一生計の配偶者及び扶養親族がいない場合
合計所得金額が45万円以下(給与所得者であれば、年収100万円以下)
こうした世帯に対し、7万円の給付が進められています。一部で申請期限が5月のところもありますが、多くのところでは給付が終わっているところではないでしょうか。
なお、本来は所得割も均等割も非課税である世帯が住民税非課税となり、過去の給付金対象となってきましたが、今回は均等割のみ課税世帯に対し、10万円の給付が行われています。
詳細は自治体にてご確認ください。
こうした給付金以外にも、住民税非課税世帯に対してはさまざまな優遇制度があります。
次章にて確認しましょう。