4. 年代別の住民税非課税世帯の割合

厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」によると、年代別の住民税非課税世帯の割合(全世帯に占める住民税非課税世帯の割合)は次の通りとなりました。

年代ごとの住民税非課税世帯の割合

年代ごとの住民税非課税世帯の割合

出所:厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成 注:「総数」には年齢不詳を含む

  • 30歳代:9.2%
  • 40歳代:9.2%
  • 50歳代:11.3%
  • 60歳代:19.2%
  • 70歳代:34.9%
  • 80歳代:44.7%

年齢を追うごとに、住民税非課税世帯の割合が増えているようです。

なお、住民税非課税世帯を母数とした場合、70~79歳が占める割合は37%。80歳以上が占める割合は29%で、合わせて66%となります。

高齢になれば収入源が年金のみとなり、年収が下がるのが一因です。

また所得の計算方法においても、給与所得より年金所得の方が控除が大きいこともあり、住民税非課税世帯に該当しやすいという考え方もあります。

一方、住民税非課税世帯になる要因を振り返ってみると、収入のみで判定されるため、資産は考慮されないこともわかりました。

年金生活者の中には、収入は確かに少ないものの「これまでコツコツ貯めてきた資産がある」という方もいるでしょう。

ただし、物価上昇が進む現在において、資産を切り崩す生活はやはり不安が大きいもの。こうした給付金や優遇措置は、国民にとってなくてはならないものとなっています。

5. まとめにかえて

住民税非課税世帯になる年収の目安や、その優遇措置などをみていきました。

制度は複雑なこともありますし、申請しないと該当しないものもあります。

さらに、国の施策だけでなく自治体で独自に行なうものもあるため、情報には注視しておきましょう。

参考資料

太田 彩子