4. 貯蓄1000万円で老後破綻するのか
今まで紹介した「老後の平均生活費」と「年金受給額」を基に、貯蓄1000万円で老後破綻するのかをシミュレーションしてみましょう。
夫婦モデル別にみた、老後に毎月不足する金額は以下のとおりです。
4.1 【夫婦モデル別】老後に毎月不足する金額
- 1
.会社員共働き夫婦
月28万7946円(年金受給額)ー月28万2497円(生活費)=+月5449円 - 2.片働き夫婦(会社員と専業主婦(夫))
月20万289円(年金受給額)ー月28万2497円(生活費)=▲月8万2208円 - 3.自営業者夫婦
月11万2632円(年金受給額)ー月28万2497円(生活費)=▲月16万9865円
会社員共働き夫婦であれば、年金だけで暮らせます。そのため、極論、貯蓄がまったくなくても老後破綻しません。
一方で、片働き夫婦や自営業者夫婦は年金だけで生活費を賄うことはできないため、貯蓄が必要です。
老後が20年間ある場合、年金とは別に必要な貯蓄額は以下のとおりです。
4.2 【夫婦モデル別】老後の20年間で必要な貯蓄額
- 2.会社員の夫と専業主婦の夫婦(片働き夫婦)
月8万2208円×20年間=1972万9920円 - 3.自営業者夫婦
月16万9865円×20年間=4076万7600円
片働き夫婦では1972万9920円、自営業者夫婦では4076万7600円の貯蓄が必要となります。どちらも貯蓄1000万円では足りません。
そのため、65歳で貯蓄が1000万円しかない場合は、平均よりも生活費を減らすか、再就職するかなどの対策を検討した方がいいでしょう。
5. 老後の生活をシミュレーションしよう
老後にかかる生活費や年金受給額は世帯によってさまざまです。
そのため、まずは自分の世帯が年金とは別に老後にどれくらいお金が必要なのかをシミュレーションしましょう。
シミュレーションの結果、老後資金が不足することがわかれば、節約や再就職などを検討してみてください。
参考資料
苛原 寛