3. 住民税が減税されるしくみ【会社員や公務員】

住民税についても、減税されるしくみは所得税の場合とほぼ同じです。

住民税もどのくらい控除されているかは、給与明細の控除の欄を見ればわかります。

なお、2024年分の所得に対してかかる住民税は、毎年6月に切り替わり、翌年5月までの12か月間で分割して納めることになっています。

たとえば、毎月の給与が25万円の独身者(扶養家族なし)の場合、住民税は年間約12万円で、毎月1万円ほどが控除されているはずです。

6月は減税があるので、給与から約1万円の住民税は差し引かれず、7月以降から通常どおり1万円が差し引かれます。

このように、減税は1回の給与でまとめて行われて、その分手取りが増えるのではなく、毎月、控除される予定の金額が減税され、少しだけ手取りが増えることになります。

【写真1枚目/全2枚】定額減税のスケジュール例。個人事業主の場合はどうなる?写真2枚目で確認

定額減税のスケジュール例

出所:国税庁「令和6年分所得税の定額減税Q&A」

なお、給与から減税となる月次減税額の控除の対象になる会社員や公務員は、2024(令和6)年6月1日において在籍する方のみです。

6月2日以降入社の方は、対象外となります。

その場合は、年末調整で精算されます。

ここまでは、会社員や公務員の減税されるしくみです。

次は、公的年金受給者や個人事業者などの減税について説明します。

4. 公的年金受給者の減税はどうなる?

公的年金受給者は、6月以降の源泉徴収税額から減税となります。

上記で紹介した手順と同じく、6月に支給される年金で減税しきれなかった場合は、翌々月以降に支給される年金から順次減税されます。

4.1 個人事業者などの減税は?

個人事業者などは、翌年の確定申告時に減税を含めて所得税を計算します。

ただし、2023前年分の税額などを基に予定納税額を5月15日現在で計算して、予定納税基準額が15万円以上となる場合は、その3分の1の金額を、その後2回(7月、11月)に分けて納付します。

個人事業者などの減税手続き

個人事業者などの減税手続き

出所:国税庁「No.2040 予定納税」

予定納税に該当する方は、減税を含めた額が通知されることになっています。

5. まとめにかえて

1人あたりの定額減税は、所得税3万円、住民税1万円。

もし、家族が多ければ、その分減税額も増えます。

生活費の値上がりに「家計のやりくりがうんざり」という方が多い中、少しほっした気分を味わうことができるかもしれませんね。

参考資料

舟本 美子