帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査によると、4月から約2800品目の食品が値上げされました。

さらに、電力大手10社が発表した5月請求分の電気料金は「再エネ賦課金」が引き上げられた影響で、前の月に比べて500円前後値上がりとなる予定です。

いくら節約しても、生活必需品の値上げが続けば「どこをどう節約していいのかわからない…」という声も聞こえてきそうです。

そんな中、2024年6月から定額減税がはじまります。

定額減税は、1人あたり所得税で3万円、住民税で1万円、合計すると4万円が減税されるというもの。

とはいえ、減税は6月分の給与ですべて完了するわけではありません。

今回は、定額減税をするしくみをわかりやすく解説します。記事の後半では、公的年金受給者や個人事業者などの減税についても見ていきます。

1. 2024年6月からはじまる所得税と住民税の定額減税とは

2024(令和6)年6月からはじまる定額減税の概要は、以下のとおりです。

1.1 定額減税の対象者

定額減税の対象者は、令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1805万円以下の人です。

収入が給与のみの方のうち、年間給与額が2000万円以下となる人が対象です。

1.2 定額減税額

  • 所得税は1人あたり3万円
  • 住民税は1人あたり1万円
  • 合計減税額1人あたり4万円

1.3 減税額

定額減税の対象者に同一生計配偶者や子どもといった控除対象者がいる場合は、納税者本人と配偶者や扶養親族の人数を合計した金額が減税されます。

たとえば、家族が、定額減税の対象者(納税者本人)、同一生計の配偶者、扶養親族(2人)であれば、減税額は「4万円+4万円×3名(配偶者と扶養親族2名)=16万円」です。

ただし、16万円が減税されるからといって、2024年6月の給与ですべて差し引きされるわけではありません。

次は、所得税と住民税が減税されるしくみについて解説します。

2. 所得税が減税されるしくみ【会社員や公務員】

会社員や公務員の方は、毎月の給与から所得税が控除されています。

毎月所得税がどのくらい控除されているかは、給与明細の控除の欄を見ればわかります。

たとえば、毎月の給与が25万円の独身者(扶養家族なし)の場合、所得税は月5200円ほどになります。

減税があるので、6月分の給与から3万円がすべて差し引かれることはありません。

つまり6月時点では、減税額の3万円のうち5200円だけ減税されることになります。

引き切れない残りの2万4800円は、翌月以降、上限の3万円に達するまで給与や賞与から順次差し引かれます。