皆さんは毎月の生活費がいくらかかっているのかについて把握していますでしょうか。
働く世代は毎月の収入がある程度安定していることもあり、生活費を正確に管理する人は少ないかもしれません。
一方、老後生活はそれまでの貯金と限られた年金の下でお金のやりくりを考えていきます。
3月末で退職を迎え、セカンドライフが始まった方もいるでしょう。
生活費をしっかりと管理しておかないと、お金が足りない、家族の負担が大きくなるといったことになりかねません。
本記事では65歳無職の「二人以上世帯」に焦点を当て、生活費など支出について確認していきます。
1. 年金世帯は平均で「毎月約4万円」の赤字
「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支は下記の通りになりました。
1.1 65歳以上・夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支
- 実収入:24万4580円
- 可処分所得:21万3042円
- 消費支出:25万959円
可処分所得から消費支出を引くと「3万7917円」の赤字になります。
同調査の2022年(令和4)分では、毎月の生活費は「約2万円の赤字」でした。
物価高や光熱費高騰により、年々負担が大きくなっている状況です。
また、老後はこういった日常的な支出に加え、医療費や介護費用、住宅のリフォーム費用なども用意しておく必要があることに留意しておきましょう。
2. 年金だけで生活している人は「全体の44%」
厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、過半数の年金受給層が年金以外の収入を得て生活しています。
同調査によると年金だけで生活できている人は全体の44%であり、56%は年金だけで生活できていないことが分かります。
では、ゆとりある老後を過ごすためにはどのくらいの資産があればよいのでしょうか。
次章では、老後に向けた資産形成について考えていきます。資産を増やすために必要な積立額についても紹介しているので、ぜひご覧ください。