3. 2000万円をつくるための積立額シミュレーション
近年話題となった「老後2000万円問題」ですが、その2000万円をつくるには毎月どれだけの積立額が必要になるでしょうか。
積立期間は15年・20年・25年・30年、利回りは3%と仮定すると、それぞれの月々の必要積立額は次のとおりです。
【積立期間別・毎月の必要積立額】
- 15年:8万8116円
- 20年:6万920円
- 25年:4万4842円
- 30年:3万4321円
積立期間が長くなればなるほど、少ない積立金額で済むことが分かります。
35歳から始めて30年間積み立てた場合は、毎月約3万6000円の積立で2000万円を達成できる見込みです。
ただし、このシミュレーションは投資信託などを活用した資産形成を前提としています。
投資には元本割れのリスクが伴います。目標の年齢に到達した時点で損失が出ている可能性もあるので、積立額は余裕資金の範囲内にしておきましょう。
とはいえ、利回り3%というのは安定的なファンドに投資していても十分に狙っていける水準です。
「投資って難しそう…」と考えている方も、ご自身に合ったファンドが見つかるかもしれません。
興味がある方は、まずは情報収集から始めてみましょう。
4. 早いタイミングからの対策を
今回は65歳無職の「二人以上世帯」の支出状況について確認しました。
65歳以上の年金受給世帯全体で、毎月約4万円の赤字になっている状況です。
理想の老後を実現するためには十分な準備が必要です。
毎月の生活費を確認し、無駄な支出を減らすことはもちろん、今ある貯金を増やすことも必要になってきます。
近年、「貯蓄から投資へ」というスローガンのもと、日本では私たちが効率よく資産運用ができるように制度が確立されつつあります。
NISAやiDeCoなどの制度を活用して、早いタイミングから資産運用を始めてみてもいいかもしれませんね。
参考資料
- 総務省統計局「令和5年分家計調査報告(家計収支編)」
- 総務省統計局「令和4年分家計調査報告(家計収支編)」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
- 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
川勝 隆登