国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」では、20歳代の平均給与が200万円〜300万円台なのに対して、40歳代の平均給与は400万円〜500万円台となっています。
このように日本では年齢が上がるにつれて給与が上昇する傾向にありますが、ある節目を迎えると給与手取り額が下がる可能性があります。
本記事では、そのような節目となる「40歳の節目」と「新卒2年目の節目」で、給与手取り額が下がる理由について詳しく紹介していきます。
4月に子育て支援金の具体的な試算額も明示されたことで、天引きされるお金や手取り額を意識するようになった方もいるのではないでしょうか。
記事の後半では具体的な天引き額についてもシミュレーションしているので、あわせて参考にしてください。
1. 40歳になると給与手取りが下がるかもしれないのは何故?
まずは、給与手取りが下がるかもしれない節目の1つ「40歳」の、手取り収入が少なくなる理由から見ていきましょう。
40歳になり給与手取りが下がる理由は、給与から新たに「介護保険料」が引かれるようになるためです。
介護保険料とは、老後に介護サービスの利用が必要になった時に、介護費用の負担を軽減できるように支払う保険料を指します。
この介護保険料の徴収は40歳以上の方が対象となるため、39歳以前の給与よりも天引きされる額が多くなるのです。
1.1 介護保険料の天引き額はいくら?
介護保険料は、標準報酬月額(※)と標準賞与額に保険料率をかけて計算され、事業主と折半して納めます。
※標準報酬月額:受け取る給与等を1ヶ月分の報酬に区切りながら区分したもの(それぞれの区分を等級と呼ぶ)
介護保険料の天引き額は、給与・賞与額によって異なります。
たとえば、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)における、令和6年(令和6年4月30日納付期限分から)の介護保険料率は1.60%。これを会社と折半するため、従業員の折半負担額は0.80%となります。
協会けんぽの保険料率を参考にすると、報酬月額30万円の場合の介護保険料は「2400円」となります。
なお、介護保険料率は毎年見直しがされているため、随時確認しておけると良いでしょう。