2024年度の年金額は2.7%の増額となり、2年連続で増額改定となりました。
とはいえ、年金生活になれば収入が下がる方がほとんどでしょう。年金だけで暮らせる方は、実はそう多くありません。
十分な貯蓄で備えておけるのが理想ではありますが、60歳代において「貯蓄ゼロ世帯」が少なくないのも事実なのです。
今回は金融広報中央委員会の資料をもとに、60歳代・二人以上世帯の貯蓄額をみていきます。
後半では厚生労働省の資料より、実際に支給される年金額も見ていきましょう。
1. 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄ゼロ(非保有)は何パーセントか
60歳代・二人以上世帯で「貯蓄ゼロ(非保有)」の人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄ゼロ(非保有)の割合
- 21.0%
1.2 【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄3000万円以上の割合
- 20.5%
1.3 【60歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:2026万円
- 中央値:700万円
貯蓄ゼロ(非保有)は21.0%にのぼります。一方、貯蓄3000万円以上の人は20.5%となりました。
約2割の世帯において、貯蓄がないという事実に驚いた方が多いと思います。これにより、平均貯蓄額もゼロに引っ張られて低くなっている可能性があるでしょう。
次章では、「貯蓄保有世帯」に絞って、貯蓄の実態を見ていきます。
2. 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄保有世帯のみの平均と中央値はいくらか
次に、同調査より貯蓄保有世帯のみの貯蓄額について見ていきましょう。
2.1 【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄100万円未満の割合
- 7.4%
2.2 【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄3000万円以上の割合
- 26.0%
2.3 【60歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:2588万円
- 中央値:1200万円
貯蓄保有世帯のみの貯蓄額をみると、平均は2500万円を超え、中央値は1000万円を超えました。
貯蓄100万円未満世帯の割合を見ると、7.4%いるようです。
では、今の60歳代はどれほどの年金を受給しているのでしょうか。また、手取り収入からどれほど貯蓄に回しているのかも合わせて見ていきましょう。