6月に入り、世間ではボーナスの支給を心待ちにしている声が聞こえてきます。
なかでも50歳代は収入がピークに差し掛かる年代で、一見するとお財布にも余裕がありそうですが、周囲はいったいどれほど貯蓄できているのでしょうか。
周りの貯蓄事情についてはなかなか聞きづらいものです。
そこで今回は金融広報中央委員会の資料をもとに、50歳代・二人以上世帯の貯蓄額をみていきます。
記事後半では、今話題の定額減税についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 【50歳代・二人以上世帯】貯蓄100~200万円未満は何パーセント?
では、50歳代・二人以上世帯で「貯蓄100〜200万円未満」の人はどれくらいいるかデータでみていきましょう。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、50歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【50歳代・二人以上世帯】の貯蓄100〜200万円未満の割合
- 6.4%
1.2 【50歳代・二人以上世帯】の金融資産非保有(貯蓄ゼロ)の割合
- 27.4%
1.3 【50歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1147万円
- 中央値:300万円
貯蓄100〜200万円未満は6.4%であり、金融資産非保有(貯蓄ゼロ)という世帯が最多の27.4%でした。
50歳代の約3割の世帯が貯蓄に乏しい状況にあり、このような世帯がこれだけ多いというのは、それだけ経済的な不安定さや将来の生活への不安を抱える家庭が多いことを表しているともいえます。
また、貯蓄額の平均は1147万円である一方、中央値は300万円と大きな差があります。
平均貯蓄額が1147万円という高額であることから、一部の世帯は非常に多くの貯蓄を有していることが伺えます。
このような高貯蓄の世帯は単に収入が多いだけでなく、資産運用が成功していたり、あるいは相続などによる資産の蓄積が関係している可能性があります。
しかし、こういった世帯が全体の平均を押し上げているため、平均値は一般家庭の実態を反映していないともいえます。
このことから、貯蓄が極端に多い家庭と少ない家庭の二極化が顕著であることがわかりますね。
この背景には、長引く経済停滞や低賃金、雇用の不安定さなどの経済的要因が影響していると考えられます。
特にバブル崩壊後の失われた世代として、安定した職に就けなかった人々が50歳代に差し掛かり、貯蓄ができない状況に陥っていることが一因となっているでしょう。
では、貯蓄ゼロを除いた世帯だけを見ると平均と中央値はどのように異なるでしょうか。
次章で見ていきましょう。