4月15日は2ヶ月ぶりの年金支給日。公的年金は老後の大きな収入源となるため、年金生活者にとっては嬉しい月でもあります。
そんな公的年金ですが、額面の金額が全て受け取れるわけではありません。税金や社会保険料が「天引き」された状態で私たちのもとに振り込まれるのをご存知でしょうか。
勤めていて、控除額が多く思ったより給料が残らない事象を経験した人は少なくないはず。その「落とし穴」は年金生活に入ってからも続くのです。
今回は、天引きされるお金など「年金の落とし穴」について確認していきましょう。記事の後半では最新の公的年金の平均受給額についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。
1. 【年金の落とし穴:1】年金は「額面どおり」振り込まれない
前述の通り、年金は額面がまるごと受け取れるわけではありません。現役世代の給与からの天引きと同様に、高齢者の年金からも天引きされます。
天引きされるお金は、次の4種類です。
1.1 年金からの天引き1. 個人住民税
前年中の所得に対して課税される住民税は、一定の条件を満たした場合に年金からの天引きで納めます。
ただし、収入が一定額に達しなければ非課税となるため、支払い義務が発生しないケースもあります。
1.2 年金からの天引き2. 所得税および復興特別所得税
年金収入が一定以上になると所得税も発生します。そのお金は、年金からの天引きで納めることになるのです。
「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律117号)」により、所得税を徴収される時に復興特別所得税もかかります。
ただし、障害年金や遺族年金を受給する場合には非課税となります。
1.3 年金からの天引き3. 介護保険料
40歳から支払義務が発生する介護保険料。65歳以降は健康保険と切り離して単体で納付しますが、年間の支給額が18万円以上の方は年金から天引きされます。
高齢化社会が進む中で介護保険制度の運営は厳しくなっており、保険料の負担は高まると考えられます。介護状態になり介護サービスを受けるようになっても、介護保険料の支払いは一生続きます。
1.4 年金からの天引き4. 健康保険料
国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料も、原則年金からの天引きで納めます。
いまご紹介した最大4つのお金が年金から天引きされるため、額面と振込額は一致しないことの方が一般的です。
2. 【年金の落とし穴:2】「天引きされるお金」は増える可能性もある
年金から天引きされるお金のうち、健康保険料や介護保険料については今後も負担が増える可能性が高いといえます。
たとえば介護保険料については、この20年で保険料が2倍以上になりました。
少子高齢化の現代において、要介護認定者は増える一方だと考えられます。今後も、財源が追いつかない形の保険料上昇は続いていくでしょう。
高齢化社会の影響を受け、社会保障では改革が急務といえるかもしれません。
次の章では、今回ご紹介する最後の「年金の落とし穴」について、そして最新の公的年金の平均受給額もチェックしていきましょう。