12月15日は、公的年金の支給日です。多くの年金受給者が、楽しみにしていることでしょう。年末年始は、とくに出費が膨らみます。無職となった老後、年金が唯一の収入源となっている方は少なくありません。
今回は、60歳代の貯蓄事情に焦点をあてつつ、夫婦で過ごす無職の老後の平均年金月額や家計収支に関するデータを紹介します。3000万円を保有する60歳代は約2割ですが、全体像を見える化しながら解説します。
老後に向けた必要な貯蓄は、すべての方が考えなければならないお金の問題です。お金のリテラシーを高めるためにも、この機会に老後に向けた貯蓄について考えてみてください。
1. 【60歳代】二人以上世帯の20%が《貯蓄3000万円以上》しかしその実態は?
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」から、60歳代の二人以上世帯の貯蓄額データを見ていきます。
1.1 貯蓄額分布
- 金融資産非保有:20.5%
- 100万円未満:6.5%
- 100~200万円未満:5.3%
- 200~300万円未満:3.7%
- 300~400万円未満:3.1%
- 400~500万円未満:3.1%
- 500~700万円未満:6.3%
- 700~1000万円未満:5.3%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:5.8%
- 2000~3000万円未満:8.0%
- 3000万円以上:20.0%
- 無回答:3.6%
1.2 平均と中央値
- 平均:2033万円
- 中央値:650万円
60歳代で無職二人世帯の「貯蓄額3000万円以上」に該当するのは、全体の20.0%です。一方、「貯蓄額ゼロ」の世帯も20.5%と、同程度の世帯割合となっています。
また、1000万円以上の貯蓄額を保有する世帯は42.7%、500万円未満の世帯割合は42.2%です。つまり、60歳代の平均貯蓄額は2033万円であるものの、高額な貯蓄を有する世帯に引き上げられた数値だと考えられます。
よって、中央値の650万円のほうが、より実態に近い値であると言えそうです。
