現代では、物価の高騰や税負担の増加などから、老後への不安がますます高まっています。
公的年金だけでは老後の生活を維持するのはなかなか難しいでしょう。そのため、現役時代にどれだけ老後資金を準備できているかが、将来の安定した老後生活を送るための鍵となります。
このような状況下で、個人の自助努力が重要視される中、実際に老後が迫っている世代の方々がどのように準備を進めているのか、気になるところです。
そこで今回は50歳代・二人以上世帯の貯蓄額と、現代シニアの厚生年金と国民年金の平均月額、また2024年度の年金額例をみていきます。
1. 【50歳代・二人以上世帯】貯蓄700~1000万円未満は何パーセント?
50歳代・二人以上世帯で「貯蓄700~1000万円未満」を達成している人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、50歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【50歳代・二人以上世帯】の貯蓄700万円~1000万円未満の割合
- 5.7%
1.2 【50歳代・二人以上世帯】の貯蓄1000万円以上の割合
- 32.8%
1.3 【50歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1253万円
- 中央値:350万円
貯蓄700万円~1000万円未満は1割未満、貯蓄1000万円以上でみると約3割となりました。
2. 【厚生年金と国民年金】平均月額はいくらか
では、みなさん年金は平均で月いくら受給しているのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、現代シニアの平均的な年金額も見ていきましょう。
2.1 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
2.2 国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
国民年金で5万円台、厚生年金で14万円台でした。次に、気になる2024年度の受給額の例も見ていきましょう。