ゲーム会社の業績は、ヒットの有無で大きく振れる。当たれば跳ね、外せば沈む。そんなイメージを持つ人は多いのではないだろうか。だがカプコン(9697)の決算を並べると、その印象はうまく当てはまらない。利益は毎年きれいに積み上がっている。2027年3月期1Qの大幅増益を手がかりに、その安定の正体を株価と重ねて読み解きたい。
※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。
決算翌日に急伸、直近1カ月は3,200円台から4,200円台へ
まず直近1カ月の株価を確認する。カプコンの株価は8月7日、4,149円で引けた。前日から5%を超える上昇である。
1カ月をたどると、7月中旬は3,200円台にあった。流れが変わったのは1Q決算を発表した7月末で、翌営業日には3,500円台から4,200円台へ大きく跳ねた。決算内容が好感された可能性が高いが、当日の値動きには相場の地合いも絡む。理由を一つに決めつけるのは避けたい。その後は4,000円前後で推移し、8月7日に改めて水準を切り上げた。
直近時点のPER(株価収益率)は約30倍、PBR(株価純資産倍率)は6倍台と、市場の評価は高い。ゲームIPというブランド資産への期待が株価に織り込まれていると読み取れる。
営業利益+67%の大幅増益、新作とリピートが牽引
2027年3月期1Qは、売上高が前年同期比+54.7%の704億円、営業利益は+66.9%の411億円、経常利益は+81.1%の415億円、純利益は+69.2%の292億円となった。四半期として力強い増益である。
牽引役は何か。会社の説明によると、中核のデジタルコンテンツ事業で、4月発売の完全新規IP『プラグマタ』が全世界250万本を突破し、主力シリーズの旧作もそろって伸びた。1Qのデジタル販売本数は2,381万本と前年同期の1,416万本を上回り、うち旧作にあたるリピートタイトルが2,126万本を占めた。新作より旧作のほうが売れている点が目を引く。
ゲーム事業は当たり外れの大きい水物、という見方は根強い。だがカプコンの数字は、その見方とずれている。過去に作ったタイトルがデジタル配信で長く売れ続け、リピート販売が収益の土台になっている。新作の一発に頼らず、蓄積したIPが繰り返し稼ぐ構造だ。なお通期予想は営業利益830億円で据え置かれており、1Qでその約半分に達したことになる。上期偏重の発売計画を踏まえれば、進捗そのものは想定の範囲と読み取れる。
