2024年に入ってから株式市場は好調に推移してきました。
日本も例外ではなく、長年超えられなかった史上最高値を更新するという大きなニュースは皆さんも耳にしたのではないでしょうか。
投資をしている人は儲かってうらやましいという声も聞こえてきます。
しかし、投資を続けることは難しく、途中で売ってしまったことで今回の株価上昇に乗れなかった人も多くいると考えられます。
今回は初心者の方でも始めやすい積立投資を題材として、続けられる人はどのくらいいるのか、もし続けていたらどれくらい資産を増やすことができたのかについてみていきましょう。
1. 【旧NISA】今も続けている人はどれぐらい?
実際に投資を続けられる人はどのくらいいるのでしょうか。
これに関しては明確なデータが存在していません。
そこで、長期保有を前提としたNISA制度の残高と売却額からトレンドを見てみます。
今回は旧NISA口座で買えた商品の中でも、長期的な保有が資産形成につながる投資信託に着目します。
金融庁のNISA口座の利用状況調査(2022年12月末時点)のデータから、NISA口座における投資信託の保有額と売却額をチェックしてみましょう。
1.1 NISA口座残高(投資信託)
- 20歳代:4737億8863万円
- 30歳代:1兆2052億470万円
- 40歳代:1兆4519億6571万円
- 50歳代:1兆5961億921万円
- 60歳代:1兆7119億1557万円
- 70歳代:1兆4384億8123円
- 80歳代以上:5297億1109万円
- 全年代:8兆4071億7614万円
1.2 NISA口座売却額(投資信託)
- 20歳代:551億2310万円
- 30歳代:975億1693万円
- 40歳代:1481億2852万円
- 50歳代:2065億4535万円
- 60歳代:2980億645万円
- 70歳代:3357億万6723万円
- 80歳代以上:1557億4912万円
- 全年代:1兆2968億3671万円
次に残高のうち、どれくらいの割合が売却されているのか売却額÷残高で年代別に見てみます。
1.3 NISA口座(投資信託)の売却率
- 20歳代:11.63%
- 30歳代:8.09%
- 40歳代:10.20%
- 50歳代:12.94%
- 60歳代:17.41%
- 70歳代:23.34%
- 80歳代以上:29.40%
- 全年代:15.43%
NISA口座における投資信託の売却率は全年代で15.43%でした。約2割未満の金額が売却されていることになりますね。
年代別に見ると、売却率が高いのは70歳代で23.34%、80歳代以上で29.40%でした。60歳代以上になると資産の取り崩しが始まるので割合が高くなると考えられます。
一方で20~40歳代でも売却している人が10%程度いますが、約90%は売却せずに保有していることがわかります。