物価高が続くなか、年金だけでは生活が厳しいと感じるシニア世帯が増えています。特に3月は光熱費や食費の負担が重くなりやすく、「使える制度はすべて活用したい」と考える方も多いのではないでしょうか。

定年退職後、公的年金だけでなく、多くの給付制度が利用できることをご存知でしょうか。これらは、自動的に支給されるわけではありません。申請しないと受給はできないため、制度を知っているかどうかで、受給額に数十万円の差が生まれることも。

年金生活者支援給付金や高年齢雇用継続給付金、介護関連の助成制度など、シニア世代が活用できる重要な給付制度を解説します。

1. 見逃し注意|シニアが活用したい公的給付7制度を一覧で整理

定年退職後の生活では、公的年金以外にも多くの給付制度を利用できます。しかし、これらの制度は自動的に支給されるわけではなく、ご自身で申請する必要があります。

制度を知っているかどうかで受給額に大きな差が生まれるため、対象となる可能性のある制度は早めに確認し、申請期限や必要書類を把握しておくことが重要です。

1.1 年金生活者支援給付金

年金生活者支援給付金は、年金収入だけでは生活が厳しい低所得の年金受給者を支援する制度です。年金額や所得が一定基準以下の方に対し、年金に上乗せして支給されます。支給は年金と同じく、2カ月に1度の偶数月に口座へ振り込まれます。

支給額は、受給している年金の種類により異なります。2026年度は前年度比3.2%増額され、基準額は月額5620円、障害年金生活者支援給付金は1級が月額7025円、2級が月額5620円程度となります。

対象者には日本年金機構から案内はがきが郵送されますが、見逃すと給付を受けられなくなるため注意が必要です。

1.2 高年齢雇用継続基本給付金

60歳以降も働き続ける方が増えていますが、多くは定年前より賃金が大幅に減少しています。高年齢雇用継続基本給付金は、賃金低下を補うための雇用保険給付です。

対象は、雇用保険に通算5年以上加入している60歳から64歳の方です。60歳時点の賃金と比べて現在の賃金が75%未満に低下している場合、賃金額の最大10%相当額が支給されます(低下率により支給率は変動)。

高年齢雇用継続基本給付金について2/5

高年齢雇用継続基本給付金について

出所:ハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」 

例えば、高年齢雇用継続基本給付金について、60歳時点の賃金が月額30万円であった場合、60歳以後の各月の賃金が18万円に低下したときには、60%に低下したことになり、1か月当たりの賃金18万円の10%に相当する額の1万8千円が支給されます。

1.3 高年齢求職者給付金

高年齢求職者給付金は、65歳以上で離職した方が受給できる給付金です。通常の失業給付と異なり、毎月の定期給付ではなく、一時金として一括支給される点が特徴です。

受給条件は2つあります。1つ目は離職前1年間に雇用保険の被保険者期間が通算6カ月以上あること、2つ目はハローワークで求職申込みを行うことです。

給付額は被保険者期間の長さに応じて、基本手当日額の30日分または50日分となります。離職後に自動的に受け取れるわけではなく、ハローワークでの手続きが必須です。