2. 昇進を望まない人も?出世と給与の関係

役職別の賃金を見るとわかるように、課長や部長に昇進すると、基本給や役職手当、賞与が増額されることが一般的です。

しかし、企業によっては昇進後の責任増加に対して給与の増加幅が小さい場合もあり、給与アップの実感が薄いケースも存在します。

特に残業代が出ない中間管理職の場合、責任だけが増え、昇進前より給料が減ってしまうケースもあります。そのため、昇進を素直に喜べない、そもそも昇進を望まないという人もいるのではないでしょうか。

出世は従業員のモチベーション向上につながる一方で、プレッシャーやストレスが増加する原因になることもあります。

業務量の増加によるワークライフバランスの悪化、人間関係の変化なども、ストレスの原因となり得るでしょう。

給与アップを期待して昇進を目指すものの、期待通りの結果が得られない場合、失望感や不満がメンタルヘルスに悪影響を及ぼすこともあります。

3. 中間管理職のキャリアをどう考える?

中間管理職のキャリアについて考えてみましょう。

3.1 給与アップを目指すためのスキルアップ

中間管理職として給与アップを目指すなら、その方法の1つとして「専門スキルの向上」が挙げられます。

業界や職種に応じて必要とされるスキルは異なりますが、リーダーシップ、コミュニケーション能力、プロジェクト管理能力などのマネジメントスキルは、多くの会社において求められるスキルです。

また、デジタル技術の進化に伴い、データ分析能力やITスキルの向上も求められるようになっています。

3.2 キャリアチェンジの検討

いくらスキルを磨いても、それに見合った報酬を得られるとは限りません。

給与アップが見込めない場合や、現在の職場環境に不満がある場合は、キャリアチェンジを検討することも一つの選択肢です。

他の企業や業界への転職、または独立して自分のビジネスを立ち上げることで、新たなキャリアの可能性を広げることができます。

キャリアチェンジを検討する際には、自身の強みやキャリアビジョン、市場のニーズを考慮することが重要です。

3.3 ワークライフバランスの重視

給与アップだけでなく、ワークライフバランスの向上もキャリアプランニングにおいて重要な要素です。

長時間労働やストレスの多い職場環境は、メンタルヘルスや生活の質に悪影響を及ぼす可能性があります。

仕事とプライベートのバランスを考えたキャリアプランを立てることで、充実したライフスタイルを実現することができます。

4. まとめにかえて

本記事では、中間管理職の給与事情や出世との関係、キャリアプランニングについて考察しました。中間管理職の年収は、職種や企業規模などによって大きく異なりますが、昇進による給与アップが期待できる一方で、残業代が出ないなどの課題も存在します。

また、昇進によるストレス増加やワークライフバランスの問題は、メンタルヘルスに影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

中間管理職としてのキャリアを考える際には、給与面だけでなく、仕事の内容やライフスタイルの変化も考慮に入れることが大切です。給与以外の要素も含め、バランスの取れたキャリアプランを立てることが、長期的なキャリアの充実につながるでしょう。

参考資料

加藤 聖人