厚生労働省の「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢厚生年金の受給権者の年金額の平均はおよそ月14万4000円です。
なお、2024年1月に厚生労働省から公表された資料によると、2024年度の年金額は標準的な夫婦の合計で約23万円になる予定です。
年金額は一人ひとり異なりますが、老後生活を年金だけで賄うと考えればひとりで月20万円ぐらい欲しいと思う人もいるでしょう。
この記事では、老齢厚生年金の月額20万円以上の人の割合について解説します。
手取り額の目安も紹介しますので、老後の生活設計に役立ててください。
※本記事において、厚生年金の金額には国民年金が含まれます。
1. 老齢厚生年金の受給額は?
老齢厚生年金の受給額とは、厚生年金に加入したことがある人の老齢厚生年金と老齢基礎年金の合計金額のことです。
前述の厚生労働省の資料をもとに、実際の受給状況を紹介します。
1.1 老齢厚生年金の受給額の分布
老齢厚生年金の受給額は、年金制度の加入状況によって大きく異なります。
また、次の通り男女別でも受給額に大きな差があります。
- 男性:16万7388円(65歳以上の受給者の平均)
- 女性:10万9165円(同上)
男女別に老齢厚生年金受給権者の受給額の分布を見ていきましょう。
受給額別の受給権者全体に占める割合は次の表のとおりです。
男女合計を見ると、年金額が10万円以上20万円未満の人が全体の6割を占めます。
男女別に見ると、男性のほとんどは年金額が10万円以上25万円未満(87.8%)であるのに対し、女性は5万円以上15万円未満(86.2%)の人が大半を占める状況です。
1.2 月額20万円以上の人は全体の14.8%
前述の受給状況より、老齢厚生年金の受給権者のうち年金額が20万円以上の人の割合は、14.8%になります。
ただし、男女別で割合は大きく異なります。
- 男性:21.7%(年金額20万円以上の人の割合)
- 女性:1.2%(同上)
男性の5人に1人が20万円以上の年金を受給しているのに対し、女性の割合は1.2%だけです。