3. 2024年度の年金が実質的には「目減り」となる理由
今回の増額は、実質的な支給額で考えると「目減り」となります。
「実質的」とは「物価上昇率を勘案した場合」という意味です。
もし物価が上がって身の回りの商品が高価になると、同じ金額を所有していても、購入できるモノの数(もしくは質)が低下してしまいます。
すなわち、同じ金額でも実際に購入できるモノが減る状態が「実質的な目減り」です。
今回でいえば、令和5年の物価上昇率は「+3.2%」です。
対して年金は+2.7%しか増えないため、実質的には目減りしている計算になります。
金額は増えていても、知らないうちに購入できるモノの数や質が低下することになるのです。
4. まとめにかえて
物価上昇が進む世の中では、収入が金額ベースで増えたからといって、生活が楽になるとは限りません。
支給額の増加に油断せずに、貯蓄や節約、勤労による追加収入の確保など、それぞれ工夫をしてゆとりある老後生活を送りましょう。
参考資料
- 日本年金機構「Qいつの支払いから改定後の年金額が適用されますか」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から 2.7%の引上げです~」
- 日本年金機構「Q.年金はいつ支払われますか。」
太田 彩子