4. 【老人ホーム】契約前のチェックポイント その4:認知症への対応
施設ごとに対応できる認知症の症状やレベルは異なります。そのため、認知症のある方は、入居後に症状が進行した場合の施設の対応について確認しておきましょう。
入居する施設によっては、認知症が進行し、徘徊や暴力行為など、ほかの入居者に迷惑をかける症状が現れた場合、居室の移動や退去を求められる可能性があります。
認知症の症状が進行してから、新たな入居先を探すのは大変なため、重度まで対応してもらえる施設を最初から選んでおくと安心です。
5. 老人ホーム入所後「知らなかった」と後悔しないために
親や家族の希望に合う施設を選ぶには、いくつかの施設を見学して選ぶことをおすすめします。
施設に足を運ぶことで、パンフレットやホームページではわからない施設の実際の雰囲気や様子を確認することができます。
また、複数の施設を見学し、比較することで良い点や物足りない点が明確となるため、納得のいく施設が見つかりやすくなるでしょう。
施設見学の際に、確認したいポイントは以下の5つです。
5.1 アクセス・周辺環境
- 家族や親族の家からの距離やアクセス
- 最寄駅から施設までの距離、交通手段など
- 車や鉄道、飛行機など「騒音」となるものはないか
5.2 施設内の雰囲気や入居者の生活状況
- 入居者の表情
- 髪型や服装に清潔感があるか。
- スタッフとのコミュニケーションの様子
- 男女比、要介護度の人の割合
- 家族との面会や外出に制限があるか
5.3 介護スタッフの様子
- 身だしなみ、言葉使い、挨拶など
- どのような専門職がいるか
- 経験豊富なスタッフが多いか
- 居室と設備の確認
- 居室の広さ、明るさ、収納スペース
- 多床室(相部屋)は、プライベートが確保されているか
- リビングや食堂の広さ、雰囲気
- 音、温度調節、臭い
- 浴室の数と種類
- 玄関やフロアのセキュリティは十分か
5.4 食事面
- 施設内で調理されているか
- 味付け
- アレルギー、介護食などの対応
- 食事時間
- 食事中の見守り体制
見学の結果「ここに入居したい!」と思う施設が見つかれば、体験入居で実際に施設を利用して最終確認を行うと良いでしょう。
起床から就寝までの流れや、提供されるケアの質など、見学だけではわからないことが確認できます。
参考資料
- 厚生労働省:介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
- 厚生労働省:介護老人保健施設
- 厚生労働省:介護医療院
- 厚生労働省:特定施設入居者生活介護
- 厚生労働省:認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)
中谷 ミホ