2024年度の年金支給額が決まりました。

昨年に比べて2.7%引き上げられ、2年連続の増額となりました。

しかし、年金額の伸びを抑える「マクロ経済スライド」によって、実質的な価値は目減りします。

「プラス改定だけど目減りってどういうこと?」と疑問に思ったあなたに、年金額はどうやって決まるのか、年金額の改定の仕組みとその中で出てくる「マクロ経済スライド」について、わかりやすく解説します。

1. 2024年度の年金額改定

まずは、2024年度の年金額についてまとめておきます。

1.1 国民年金(老齢基礎年金の満額)

  • 68歳以下:月額6万8000円(+1750円)
  • 69歳以上:月額6万7808円(+1758円)

1.2 厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)※

  • 月額23万483円(+6001円)

※平均的な収入(賞与含む月額換算43万9000円)で 40年間働いた場合の夫と専業主婦世帯の給付水準

2023年度よりも2.7%の引き上げとなっているため、喜ばしく思えますが、実際の賃金の伸びより0.4%低く抑えられたため、実質的な価値は目減りしています。

なぜこのような改定になるのか、年金額が決まる仕組みを次にみていきましょう。