2. 不本意な結果になった子どもに言ってはいけない言葉3選

それでは、それぞれの言葉について、詳しく解説していきます。

2.1 【言ってはいけない言葉 1】「努力が足りなかった」頑張ってきた子どもを責める言葉

どの受験でも言えることですが、子ども本人が志望校に向かって日々勉強しなければ合格に近づくことはできません。
明らかに怠けていたり、最低限の勉強もしてこなかったのならば不合格という結果になるのは仕方がないです。

しかし、多くの子ども達は受験学年となれば様々なことを我慢しライバルたちと切磋琢磨しながら入試に向けて勉強しています。倍率が高い人気校を目指しているのであれば尚のこと、少しの時間も無駄にはできません。

こうした努力をしていても、確実に合格する保証はない中で入試に臨みます。不確かな中で自分の実力を全て出し切っても、受験は残酷で合格と不合格という真逆の二つの答えしか待ち受けていません。

不合格となった時、茫然自失としている子どもに対して「もっと勉強すれば良かったのに」「やっぱり勉強量が足りなかった」とこれまでの努力を踏みにじるような言葉を投げかけてはいけません。

受験では親も神経質になります。けれど、感情的になって「不合格という結果はこれまでの努力が無かったことになる」と受け止められる言動は傷ついている子どもに追い打ちをかけるだけです。

努力をしてきた結果、残念ながら縁がなかったという気持ちをしっかり持って子どもに接するようにしましょう。

2.2 【言ってはいけない言葉 2】「あの子はこんなに結果を残しているのに」他の子の結果と比べる言葉

受験シーズンは同タイミングで入試が行われるため、どうしても知り合いの子や子どもの友達の子の結果が耳に入ることもあります。受験した学校で軒並み合格を勝ち取っている子や、第一志望や第二志望の学校に合格した話を聞けば親としては心穏やかに過ごせません。

「あの子はこんなに結果を残しているのにうちの子は」とため息をついたり、子どもの前で他の子の結果を引き合いに我が子と比較するのはやめましょう。

何かにつけて誰かと比較されることをほとんどの子どもは嫌がります。とくに受験の不合格というのは子どもにとって人生最初の試練です。そして、不合格は「条件をクリアできなかった人」という意味でもあります。

「自分は失敗した人」と思いつめ、子どもによっては立ち直るのに相当な時間を要することもあり、家庭内の雰囲気や親子関係がガラリと変わってしまうきっかけにもなります。

たとえ時間を経てまた違う道を歩き、少しずつ明るい気持ちを取り戻してきたとしても子どもは親から言われたキツイ言葉を覚えています。

子どもが「落ち込んでいる時にこんなことを言っていたよね」という恨みを抱えて生きてしまわないよう、絶対に軽い気持ちで比べてしまわないよう気をつけてください。そして他の子と比べてしまうことは子どもだけでなく親の方の気持ちも不安定になってしまいます。

ついつい良い結果を出している子を羨ましく思っても、そう思うことで自分たち親子にプラスに働くことはありません。気持ちを落ち着かせるには様々な情報が飛び交う受験では終始「よそはよそ」という信念を貫いてください。

2.3 【言ってはいけない言葉 3】逆効果に?気持ちの切り替えを急かす「励ましの言葉」

励ましているつもりが、子どもを傷つけていたら?子どもの状況をよく見てみましょう。

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中学受験や高校受験で志望校に合格できなかった場合、ショックが長引いてしまうとあっという間に卒業式や入学式が迫ってきます。

次のステージに向けて動き出させようと「くよくよしないで顔を上げて歩いて行こう!」と急き立てる言葉をかけることは決して珍しいことではないです

けれど、気持ちの整理がついていないの良かれと思って「未来に向かって歩こう」と励ましても、子どもにとって逆効果になることもあります。

親はたとえ不合格という悔しい結果になっても、そこから立ち直っていけば違う道が待っていて、自分の力を次回の入試で発揮できればそれで丸く収まるのを経験上知っています。しかし、「不合格」という経験をしたことのない子どもにとっては、今回受けた受験で思うような結果が出せなかったら絶望しかないのです。

絶望という海を漂っている中で「立ち上がろう!」という言葉は余計なひとことになってしまいます。場合によっては「自分の気持ちを分かっていない」と親への不信感を募らせていきます。

親子で経験の差があることを考慮して、急かすような言葉は極力せずに子どもの気持ちが落ち着くのを見守ってください。