2. 「成年後見制度」(任意後見制度)を利用すれば、おひとりさまは「老後も自分の意思を反映」できる?注意点は2つ
おひとりさまの中には身元保証人などがいないことから、「老人ホームに入居できないのでは?」「必要な介護を受けられなさそう」といった不安を抱えている方もいます。
判断力が十分にあるうちに「成年後見制度」を活用することで、自分が希望する福祉サービスとつながりやすくなったり、財産を管理してもらえたりします。
しかし、「成年後見制度」(任意後見人)には注意点もあります。
2.1 【任意後見制度の注意点①】自分が希望する福祉サービスを必ず受けられるとは限らない
認知症などによって判断力が低下した場合、任意後見人が福祉サービスや介護の手続き・契約などを代わりに行ってくれます。
また、任意後見人にしてもらいたいことを契約(任意後見契約)により、事前に決めておくことも可能です。
判断力があるうちにどのような介護を受けたいかや希望する老人ホームを伝えておくこともできます。
しかし、入居の時点で、その老人ホームが営業していない場合や入居者数がオーバーしている場合などは思い通りの施設に入居できないこともあります。
また、事前に取り決めをしておいた内容でも、社会情勢などによってはそれが難しくなることもあるかもしれません。
2.2 【任意後見制度の注意点②】自分のお金を勝手に使われるかもしれない
任意後見人が資産の使い込みをすることは、家族であっても「業務上横領」に該当する違法行為です。
しかし、近年において成年後見人、任意後見人によるお金の使い込みが問題になっています。
任意後見人が使い込みをすれば、発覚した時点で解任されます。しかし、自分の判断力はすでに衰えているため、新しい成年後見人を自力で選任するのは難しいでしょう。
また、使われたお金が全額戻ってくる保証もありません。
3. 自分の意思どおりにならない可能性があるのはおひとりさまだけじゃない
判断力があるうちに任意後見人を立てておくことで、判断力の低下後も自分の希望がとおりやすくなります。
とはいえ、介護サービスの変更や希望する老人ホームの受け入れ可否によってはそのとおりにならないこともあるでしょう。
しかし、これはおひとりさまに限ったことではありません。我が子に入居を希望する老人ホームを伝えていたとしても、さまざまな事情によってそのとおりにならないケースも多々あります。
老後の生活を充実させるには、元気でいられるように食生活などに気を付けることも大切です。
参考資料
西田 梨紗