2. 厚生年金「月15万円」は日本にどのくらいいる?
厚生年金の全体の平均月額は「14万円3973円」ですが、平均金額に近い「月額14〜15万円」を受け取っている割合はどのくらいなのでしょうか。
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の「月額階級別の受給者数」は下記のとおりです。
上記表の厚生年金受給者の「総数」は1599万6701人なのに対して、「月額14〜15万円の受給者数」は95万3156人なので、約5.9%の人が平均月額程度の年金を受け取っていることがわかります。
また、厚生年金が「月額15万円以上」の割合は、下記のとおりです。
- 厚生年金受給権者:1599万6701人
- 厚生年金を月額15万円以上受け取っている人:737万6574人
- 737万6574人÷1599万6701人=46.1%
上記から、厚生年金として月額15万円以上を受け取っている人は半数以下であり、2人に1人以上は平均月額以下であることがわかります。
3. 天引きに注意!額面金額と手取り金額の違い
前章では、厚生年金の受給割合について紹介しましたが、紹介した金額はあくまで「額面での金額」であり、実際に受け取れる金額はこれよりも少なくなる可能性があります。
日本の公的年金は「収入」にあたるため、現役時代と同様に税金や社会保険料が天引きされます。
つまり、「額面の金額」は税金や社会保険料が天引きされる前の状態であり、天引き後に実際に受け取れる金額「手取り額」とは異なるため、留意しておきましょう。
公的年金から天引きされるお金は、下記4つです。
- 所得税と復興特別所得税
- 個人住民税
- 介護保保険料額
- 後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)
各自治体によって、年金から天引きされる税金や社会保険料の内容が記載されているところもあるため、気になる方はお住まいの自治体ホームページで確認してみることをおすすめします。
4. 受け取れる年金額を事前に把握しておこう
本記事では、厚生年金の平均受給額と割合について紹介していきました。
厚生年金の「額面で月15万円以上」の人の割合は46.1%となっており、約2人に1人は平均月額よりも低い金額となっています。
また、「額面の年金額」は税金や社会保険料が天引きされる前の金額であり、実際に振り込まれる額は額面よりも少なくなります。
年金の平均額をみて「思っていたよりも少ない」と感じた方は、年金以外の老後対策として貯蓄や資産運用も早い段階から検討できると良いでしょう。
参考資料
和田 直子