親との別れはいつやってくるか分かりません。しかし、人は誰しも必ずさいごの時を迎えます。親との別れは必ず来るのです。
円満な相続を迎えるためには「親が元気なうちから相続について備えておくことが大切」という話はよく耳にしますね。とはいえ、長い人生の中で、親の看取りや相続はそう頻繁に起こることではありません。
今回は、末期がんの父の看病、介護、そして看取りを経験した聡子さんが、相続準備について「やっておけばよかった」と後悔していることを話してくれました。
1. 末期がん父を看取った娘が後悔「やっておくべきだった相続準備」その1
1.1 銀行や証券の口座を集約してもらう
銀行や証券会社の口座をある程度、親に集約してもらいましょう。
亡くなった方の預金口座の解約手続きは、窓口に赴いて行う金融機関が多く、時間と手間がかかります。
必要書類は戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書など多岐にわたりますし、1つでも書類が不足していれば、金融機関は手続きに応じてくれません。中には取引のある支店の窓口まで行かなければ解約手続きができないという金融機関まであります。
現在、積極的に使用していない口座は、親自身であらかじめ解約してもらうことをおすすめします。
2. 末期がん父を看取った娘が後悔「やっておくべきだった相続準備」その2
2.1 財産目録を作成してもらう
親に財産目録を作成してもらいましょう。
財産目録とは、保有している財産の内容が分かるように一覧でまとめたものです。
財産目録に記載する事項は、土地・家屋・預貯金・上場株式・非上場株式・出資金・投資信託・債券・ゴルフ会員権・貴金属・美術品などのプラスの財産と、借入金などのマイナスの財産です。
親と子供が別居をしている場合には、親がどこにどれくらいの財産を持っているか把握することが困難です。
財産目録を作成しないまま親が亡くなってしまった場合、親の取引銀行が分からず、子供が近隣の銀行に手当たり次第に電話をして、口座の有無を確認しなければならないという事態に陥ります。
財産目録を作成することで、遺された子供がどこにどの財産があるか分かるようになります。