5. 末期がん父を看取った娘が後悔「やっておくべきだった相続準備」その5
5.1 スマホやPC、デジタル情報の整理
親のスマホやPC、デジタル情報の整理の手伝いもしてあげると良いでしょう。
デジタル化が進む現代においては、デジタル資産についても生前の整理が必要です。データを残すもの、家族に引き継ぐもの、自分の中だけに留めておきたいものなど、カテゴリー分けして整理していきます。
【一覧表】デジタル資産の整理例
- 写真や動画などの保存、処分
- SNSやブログなどのアカウント情報の整理
- FXや仮想通貨の口座整理
- ネット専用銀行、証券の口座
- 電子マネーやポイントアプリの整理
- サブスクスクリプションサービスの解約
また、従来の預貯金や保険などの資産であれば、定期的に届くお知らせハガキや、タンスの奥から出てきた通帳など、モノを頼りに、契約内容を確認することができます。
しかし、デジタル資産は、それらも全てメールやアプリの通知などで行われるため、IDとパスワードが分からないと、遺された家族が手続きを行うことができません。
遺された家族が困ることのないよう、生前にデジタル資産を整理するとともに、エンディングノートや財産目録に、それらのID・パスワードの情報を記しておくことがおすすめです。
6. まとめにかえて
円満な相続を迎えるためには、「親が元気なうちから相続について備えておくことが大切」です。
親の死後、慌てることなく、トラブルが起きることなく、円満に相続が行われるよう、今回紹介した5つのことを、親が元気なうちに行ってください。
この事前の準備が、いざ相続が起こった時にあなたを助けてくれることでしょう。
参考資料
- 法務省「令和3年度 司法統計-家事事件編-遺産分割事件のうち容認・調停成立件数(「分割しない」を除く)」第52 表
- 国税庁「相続税及び贈与税の税制改正のあらまし(平成27年1月1日施行)」
- 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
佐橋 ちひろ