2. 厚生年金「月額20万円」を超えるシニアは多い・少ない?

では、今回目安としている厚生年金「月額20万円」を超えるシニアはどれくらいいるのでしょうか。

  • 厚生年金受給者総数:1599万6701人
  • 厚生年金(老齢基礎年金を含む)20万円以上:236万2838人
  • 236万2838人 ÷ 1599万6701人 = 14.77%

厚生年金を月額20万円受給する人は、全体の約14.8%です。

手厚いと言われる厚生年金でも、月額20万円以上を受け取ることができる人は少ないようです。

3. 国民年金・厚生年金「2024年度の受給額」が決定、その額は?

2024年1月19日、厚生労働省より2024年度(令和6年度)の年金額例が発表されました。

くわしくみると、国民年金(老齢基礎年金)の満額は6万8000円。夫婦2人分の標準(※1)的な年金は23万483円。前年度より6000円以上の増加となりました。

※1 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準。

注釈のとおり、厚生年金の金額は「40年間会社員として月額43万9000円を稼いだ夫の厚生年金と国民年金」と「40年間専業主婦(もしくは自営業など)だった妻」の夫婦2人分の額です。

2023年度(令和5年度)が22万4482円だったため、6001円増えた形です。ちなみに、2022年度(令和4年度)は21万9593円でした。2年連続のプラス改定となります。

これまではマイナス改定が続いていたので、シニアにとっては嬉しい「プラス改定」に思えます。

しかし、厚生年金は個人の働き方で大きな個人差がうまれます。現状をしっかりとおさらいしていきましょう。

4. 厚生年金に頼りすぎないよう、早めの老後対策を

男女全体での年金受給額の平均値は14万円台、厚生年金を「月20万円以上」受給する人は全体の約15%にも満たないようです。

老後、生活をしていくのに月20万円の収入がなくても生活できるのでは?と思われる方は少なくありません。

しかし、実際に年金を受け取るときは「税金や社会保険料」の引かれものがあるため額面と手取りの金額は異なります。

仮に、額面が月15万円の年金でも引かれものを差し引くと、実際の手取りは15万円を下回り、生活がカツカツだという高齢者は少なくありません。

また、老後は健康面で医療費がかかったり、介護などでまとまったお金が必要になることも十分考えられます。

老後、年金生活で困らないためにも早めのうちから老後資金の準備を始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

鶴田 綾